ヤクルト山野太一が涙のプロ初勝利「野球をやりたくない日々も…」 852日ぶり1軍先発でプロ初勝利

[ 2023年8月1日 20:31 ]

セ・リーグ   ヤクルト1―0巨人 ( 2023年8月1日    東京D )

<巨・ヤ>ヒーローインタビューで感極まる山野(撮影・光山 貴大)
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 ヤクルトの山野太一投手(24)が1日の巨人戦(東京ドーム)に先発。21年4月1日のDeNA戦(横浜)に先発して以来、852日ぶりの1軍マウンドで7回、83球を投げ、4安打無失点と好投し、プロ初勝利をマークした。チームは3連勝となった。

 ヒーローインタビューで山野は「すごくうれしいです。ありがとうございます。スタンドに来てくれた応援団の方々とバックで必死に守ってくれた野手のおかげだと思います」と語ると、大きな拍手に包まれた。

 良かった点を問われ「投球に関しては特にないんですけど…きょうは久々の登板だったので、とにかく気持ちを出して投げようと思いました。え~、良かった点は…全部良かったです」と話した山野。苦しい日々を問われると「野球をやりたくないという日々も…」と話すと15秒以上涙をこらえて沈黙。球場の大声援を受け「でも、多くの方々に支えてもらって今日勝てたので、やっと恩返しができたかなと思います。頑張って良かったです」と話した。

 初回から140キロ前後のワンシーム、145キロ前後のフォーシームを使い分け、巨人打線を封じた。3回2死二塁のピンチを背負ったが、坂本をカウント2ボール2ストライクから143キロ内角直球で見逃し三振に仕留めた。6回2死一、二塁では、岡本和に対し、カウント2ボール1ストライクからの4球目の136キロカットボールで右邪飛に抑えた。

 山野は東北福祉大から20年ドラフト2位でヤクルトに入団。1年目の21年4月1日のDeNA戦に先発したが、1回1/3で5安打7失点。その後は上半身のコンディション不良で1軍登板はなく、昨季終了後に育成契約となっていた。今季2軍で結果を残して、7月14日に支配下に復帰していた。今季のイースタン・リーグでは11試合に登板し2勝2敗、防御率1.75だった。

 打撃でも、3回にワンバウンドになりそうな巨人・菅野の真ん中低めのカーブを中前に弾き返してプロ初安打もマーク。そんな投打での躍動に、打線が6回にようやく応える。1死一、三塁から長岡の二ゴロの間に三塁走者が生還し、待望の先制点を山野にプレゼントした。8回は清水、9回は守護神の田口が1点のリードを守り切り、プロ3年目左腕が初勝利をマークした。

 最後に山野は「これからも1試合、1試合、チームの勝利に貢献できる、そんなピッチャーになりたいです」。3年目左腕が大きな1歩を踏み出した。

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