広島・会沢 勝負の夏は一丸で勝つ あの3連覇に貢献したベテランの言葉「みんなでいかにカバーし合うか」

[ 2023年8月1日 06:01 ]

広島・会沢
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 さぁ、8月戦線。1日からのリーグ3位・DeNAと3連戦(マツダ)を前に、広島・会沢翼捕手(35)が「チーム一丸」の重要性を説いた。16~18年のリーグ3連覇に女房役として貢献したベテラン。当時との比較の中で「みんなでいかにカバーし合うか。絶対にヤマはある」と強調した。首位・阪神とは1ゲーム差。総合力で炎天下の胸突き八丁を乗り越える。

 7月30日の首位攻防・阪神戦(甲子園)。3点を追う8回無死一、二塁で、代打・会沢が反撃の一打を見舞った。左腕・伊藤将が1ボールから投じた甘い直球を振り抜くと、高いバウンドの打球は中前へ転がる適時打となった。有言実行だった。

 「(阪神が)首位にいるだけのことはあるけど、まだ試合は残っているから。チーム一丸でまた頑張ります」

 猛虎との直接対決は1分け2敗に終わった。しかし、案ずることはない。残り50試合で、首位との差はわずか1ゲーム。帰りのバスへと歩を進める中でベテランはそう意気込み、「重要」な8月戦線を勝ち切るための戦い方について言及した。

 「体力的には、どこ(のチーム)もしんどい。そこでいかにカバーし合うか。個々の力じゃ、どうにもならない。出た場面で、みんなが与えられた役割を必死にやることが大事だと思います。今はそれができている」

 リーグ3連覇に貢献した35歳の言葉は重みがある。当時は新井監督が現役で、「タナ・キク・マル」と呼ばれた田中―菊池―丸(現巨人)に鈴木誠也(現カブス)も居て、圧倒的な攻撃力を誇った。今季との比較では「3連覇の時の方が強い。個の力が違う」は実感だ。

 「それをカバーするのが全員の力。レベルが落ちる分は、みんなでカバーし合いながらやればいい。(西川)龍馬が離脱してガクッとこなかったし、キク(菊池)も不在の中で10連勝したわけだから力はあると思う」

 会沢自身、出場機会が減ってはいても、表に出ないところで献身的にチームを支える。無論、試合に出ればリードや打撃で貢献する気持ちは強い。7月30日の阪神戦が好例だった。

 「ユニホームを着ている以上、そこは必死にやらなくちゃいけない。背中を押すところは押してあげたいし、引き締めるところは引き締めないと。絶対にヤマはあるので」

 選手は与えられた役割を個々に理解する。会沢が「やりやすい環境をつくってもらっている」という、新井監督のマネジメントによるところ大。チーム力を最大限に引き出す主要因でもある。23年盛夏。チーム一丸、カバーし合いながら5年ぶりの歓喜へ突き進む。(江尾 卓也)

 《佐々岡前監督の「まいた種だと」》会沢は、佐々岡前監督がまいた種についても言及した。今季の躍進や破竹の10連勝の陰にある救援投手陣の奮投。矢崎、島内らがクローザー、セットアッパーとして一本立ちし、チーム内競争が激化した現状に「自信をつけたというか、成長していると感じる」。その上で「佐々岡さん(が監督)の時は、無駄じゃなかったということじゃないですか。佐々岡さんがまいた種だと思う。投手には厳しかったですから」と強調した。

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