エンゼルス大補強 ポストシーズンへ本気!グリチェク&クローン 369発コンビ獲得

[ 2023年8月1日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス3ー2ブルージェイズ ( 2023年7月30日    トロント )

<ブルージェイズ・エンゼルス>9回、暴投で一走に進塁を促す大谷(撮影・沢田 明徳) 
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 エンゼルスの大谷翔平投手(29)が30日(日本時間31日)、ブルージェイズ戦に「2番・DH」で出場。2試合連続で2つの申告敬遠など1安打に終わったが、チームは勝利した。今後も勝負を避けられれば本塁打王争いに暗雲が漂うが、エ軍はポストシーズン(PS)進出を見据えロッキーズからトレードでランデル・グリチェク外野手(31)とC・J・クローン内野手(33)の獲得を発表。計369発コンビの加入は大谷にも朗報だ。

 延長10回の激闘を終えてから約6時間後の午後9時過ぎ。米メディアが次々と速報をアップした。エンゼルスがマイナー投手2人を放出しロッキーズから通算183本塁打の外野手グリチェク、同186本塁打の一塁手クローンの右の強打者コンビを獲得。チーム9年ぶりのPS進出へ、本気度の表れだった。

 トレード期限は米東部時間8月1日午後6時(同2日午前7時)で、26日にホワイトソックスからジオリト、ロペスの両右腕を獲得したばかりだった。チームは主砲トラウトら野手に故障者が続出し、29日に顔面に死球を受けたウォードの離脱で外野手登録はレンフロー、モニアクの2人だけ。今回は故障者の穴を埋め、同時に打線も強化する補強だ。

 2人はともに古巣への復帰となる。11年のドラフト1巡目(全体17位)で入団したクローンは17年までエ軍でプレー。大谷加入の影響で18年2月にトレードで放出され、昨季はロ軍で29本塁打を放った。グリチェクも09年ドラフト1巡目(全体24位)で入団し、ブ軍時代の19年には自己最多31本塁打を記録。2人とも今季は故障で出遅れたが現在は万全だ。31日(同1日)の敵地ブレーブス戦から合流する予定だという。

 この日、チームは競り勝ってPS圏内のブ軍とのゲーム差を4に縮めたが、大谷は今季メジャー初の2試合連続2敬遠。同点の9回1死一塁では一度は勝負を挑まれたが暴投で一塁走者が二塁に進塁。2ボールになった時点で再び申告敬遠となった。フィル・ネビン監督は「私も相手の監督なら同じことをする」と理解を示したが2戦連続2敬遠以上はダーノー(メッツ)以来9年ぶり35人目。2戦での敬遠数の歴代1位は6敬遠のバリー・ボンズ(ジャイアンツ)がいるが、大谷もすでにレジェンド級の打者と認められている。

 後半戦だけで8敬遠で、今季12敬遠はラミレス(ガーディアンズ)に並び両リーグトップ。故障者続出で“大谷頼み”の打線にグリチェク、クローンが加入すればマークが分散される。両リーグ単独トップの39本塁打で日本選手初のタイトルを見据える大谷にとっても両者の加入は朗報。ネビン監督も「相手は必ず翔平と勝負しなければいけない場面がくる。彼は必ずチャンスをつかむ」と期待する。

 31日からは両リーグ最高勝率・650を誇るブレーブスとの3連戦。相手の大谷への警戒度を分散させれば、PSへの道が開ける。(柳原 直之)

 ≪エンゼルス打線はタイムリー欠乏症 大型補強が好影響?≫エンゼルス打線は今回のブ軍との3連戦で、この日の9回終了までの得点圏での成績は40打席(27打数)無安打。大谷は2戦目の5回1死二塁と6回2死一、三塁、この日の4回2死二塁と9回2死二塁の計4度得点圏で打席を迎えたが、全て申告敬遠だった。大谷が勝負を避けられたことも影響したタイムリー欠乏症。打線の厚みが増す今回の補強は、大谷に好影響を与えそうだ。

 ≪ブルージェイズ カージナルスからヒックス獲得≫大リーグでは8月1日(日本時間2日)の移籍期限を前に各球団でトレードが成立した。前日にサイ・ヤング賞3度のシャーザーを獲得したばかりのレンジャーズは今季6勝のモンゴメリーら2投手を獲得。両リーグ最高勝率のブレーブスにはロイヤルズから内野手ロペスが加わった。守護神ロマノが負傷者リスト(IL)入りしたブルージェイズは剛腕ヒックスをカージナルスから獲得した。

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