“広陵のボンズ”真鍋 今夏1号で甲子園王手 10―0圧勝口火の高校通算62号「本当にうれしかった

[ 2023年7月27日 05:00 ]

第105回全国高校野球選手権広島大会準決勝   広陵10―0呉港 ( 2023年7月26日    しまなみ )

<呉港・広陵>初回、先制の本塁打を放った真鍋がベンチ前で選手とハイタッチ(毎日新聞社提供)
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 第105回全国高校野球選手権大会(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会が26日に各地で開催され、広島大会準決勝では広陵が10―0で呉港を下し、18年以来5年ぶりの夏切符に王手。今秋ドラフト候補の真鍋慧(けいた=3年)が高校通算62本塁打とする今夏1号を放って、けん引した。

 広陵の主砲・真鍋は笑顔でダイヤモンドを一周した。初回2死。相手右腕が投じた内角寄り直球を完璧にとらえ、右中間スタンドへと叩き込んだ。5試合目でようやく飛び出した今夏1号。決勝打となった先制弾を号砲とばかりに、勢いに乗った打線は計10得点。難敵を撃破し、春夏連続の甲子園出場へ王手をかけた。

 「(本塁打は)うれしい。何も考えず、来た球を打ってやろうと思っていた」

 高校通算62本目のアーチは、格別の感触だった。準々決勝までの4試合は4安打を放ちながら16打席ノーアーチと、持ち前のパワーが影を潜めた。23日の準々決勝・如水館戦では4打数無安打、2三振。その試合が、復調のきっかけとなった。

 試合後に寮へ戻り、即座にバットを手に取った。後輩の只石貫太(2年)とともに1時間半にわたってスイングを続け、邪念も振り払った。来た球を打つ――。シンプル思考に加え、この日は「タイミングを早く取る意識で打席に向かった」という新たな心構えも奏功。「(6月の練習試合以来)久しぶりに本塁打を打てたので、本当にうれしかった」。本来の姿を取り戻しつつある主砲の笑顔に、中井哲之監督も「彼が苦しんでいるのを、ずっと見てきた。ようやく本来の力が出てよかった」とうなずいた。

 「この流れに乗って(次も)いい形で自分たちの野球をしたい」

 同じ左の大砲で、ともに下級生時から「BIG4」として注目された花巻東・佐々木麟太郎はこの日、ひと足早く甲子園出場を決めた。聖地で雌雄を決するためにも、29日、広島商との決勝で、5年ぶりの夏切符をつかみ取る。(長谷川 凡記)

 ◇真鍋 慧(まなべ・けいた)2005年(平17)6月17日生まれ、広島県安芸区出身の18歳。小1からソフトボールを始め、瀬野川東中では安芸リトルシニアに所属して投手などを務めた。広陵では1年夏から背番号3でベンチ入り。2年春に甲子園初出場し、3年春の選抜では4強入り。50メートル走6秒3、遠投105メートル。1メートル89、95キロ。右投げ左打ち。

 《高尾、無四球27イニング無失点》○…先発したエース・高尾響(2年)は立ち上がりから呉港打線に付け入る隙を与えなかった。「直球が低めにいっていた」と5回までは毎回奪三振を記録。三塁を踏ませない投球で7回2/3を6安打無失点に抑えた。今夏は4試合、計27イニング無失点で、無四死球と安定感が光る。「3ボールになっても焦らず、大胆にストライクゾーンに投げる意識をしている」と平常心の投球が好調を支えている。

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