阪神 ウイニングボールは横田さん遺族へ 「あなたの魂は、心の中で生き続けます」勝利届けた追悼試合

[ 2023年7月26日 06:30 ]

セ・リーグ   阪神4―2巨人 ( 2023年7月25日    甲子園 )

<神・巨>横田さんの追悼試合を勝利で飾った阪神ナイン(撮影・大森 寛明)
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 甲子園球場のバックスクリーンに半旗を掲げ、阪神の選手は喪章を肩につけた。

 試合前の追悼セレモニーでは、横田慎太郎さんが現役時代に使用した登場曲「栄光の架橋」が流れる中、両軍がベンチ前に整列。場内ビジョンには追悼映像が放映された。「奇跡のバックホーム」として語り継がれている19年9月26日の引退試合での勇姿や、入団会見を振り返り「あなたの魂は、私たちの心の中で生き続けます」「ありがとう。そして、安らかに」などのメッセージが記された。その後、観客とともに黙とうがささげられた。

 横田さんの父・真之さん、母・まなみさん、姉・真子さんも来場した。まなみさんは「慎太郎も連れてきました」と遺影と同じ写真をかばんに忍ばせ、「阪神球団には感謝しかありません。慎太郎の姿がいろんな方の目に焼き付いたらうれしいです。息子は幸せ者だと思います」と語った。試合終了後に岩崎が手にしたウイニングボールは遺族に渡った。勝利の電光掲示板に残ったスコアは「2―4」。早すぎる別れを惜しむように本拠地・甲子園も横田さんの現役時代の背番号「24」を映し出していた。

 ○…ウエスタン・リーグの阪神―ソフトバンク戦も横田さんの追悼試合として開催した。鳴尾浜球場に半旗を掲げ、試合前には両軍選手、首脳陣がベンチ前に整列して約30秒間の黙とうをささげた。開門時間の午前9時を前に大行列ができて球場は満員。現役当時の応援タオルなどをフェンスに掲げるなどファンも思いを巡らせた。和田2軍監督は「絶対諦めない気持ちや野球に取り組む姿勢など、いろんなものをチームに残してくれた。今の選手たちも、そういうものを感じて今に至っていると思う」と改めてしのんだ。

 ▽横田慎太郎さんの経過17年2月11日、春季キャンプ中に頭痛の症状が治まらず緊急帰阪。検査で「脳腫瘍」と診断された。19年9月22日に引退会見を開き、2度の手術を経た視力低下を理由に挙げた。引退後は出身地の鹿児島県で単身生活を送りながら講演や執筆活動を展開。23年7月18日、脳腫瘍のため28歳で死去。

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