“公立の星”三国丘 5年ぶり準々決勝進出逃す エース文野が涙の完投、5試合618球投げ切る

[ 2023年7月26日 17:41 ]

第105回全国高校野球選手権大阪大会5回戦   三国丘2―3大阪 ( 2023年7月26日    南港中央 )

<三国丘・大阪>逆転負けに涙をぬぐう三国丘・文野(1)
Photo By スポニチ

 大阪府内屈指の進学校である公立の三国丘が大阪に逆転負けし、5年ぶりの準々決勝進出を逃した。

 最速144キロを誇る大会屈指の左腕が散った。三国丘のエース文野結(ゆう=3年)は8回1死まで無安打投球も初安打から一気に5安打を集中され3失点。逆転負けに試合後も涙が止まらなかった。

 「悔しい点の取られ方。チームを勝たせられなかったことが一番悔しい」

 7回終了時点で許した走者は四球の2人だけ。危なげない投球で8回表にうれしい追加点をもらいリードは2点に広がった。だが、8回1死から中前打で初安打を許すと次打者は味方の失策で1死一、二塁。続く打者に高め速球を左越えに同点二塁打を浴びた。「狙い通りの球。僕の負けでした」。気持ちを入れなおしたが、相手に傾いた流れを呼び戻す力はなかった。右前打で一、三塁を背負い、決勝点は打ち取った捕手前のボテボテの当たりが内野安打。不運にも捕手が処理せざるを得なくなって本塁が空き三塁走者の生還を許した。

 16日の初戦から23日の4回戦まで8日間で全4試合、36イニングを完投。この日は朝起きた時から左肩の状態も良くなく序盤から、疲労による違和感を抱きながらの投球。本来の球威ある真っすぐが影を潜め、球が浮く場面も目立ち、最後は力尽きた。

 それでもエースとして最後までマウンドを死守し8回107球を投げ5安打3失点(自責1)で完投した。5試合で618球を投げ切った夏。「公立の星」が輝きを失うことはない。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年7月26日のニュース