矢野燿大氏 阪神・伊藤将、佐藤輝よ 苦しい今こそ凡事徹底を

[ 2023年7月17日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神0―3中日 ( 2023年7月16日    甲子園 )

矢野燿大氏
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 【矢野燿大 視点】阪神・伊藤将はナイスピッチングだった。3失点して敗戦投手になったが、投球内容は責められない。ただ7回2死二、三塁で代打・後藤に2点中前打された時に本塁のバックアップをしていなかった。試合を決定づける勝負どころでショックだったのは分かる。もう3年目でチーム内ではエース格で、若い投手を行動で引っ張っていく立場だけに、打たれてがっくりする気持ちは察するが、やるべきことはやれる選手になってほしい。

 打つ方では佐藤輝からなかなか快音が聞かれない。ただ、そのことは本人が一番分かっているはず。私が監督時代もいろいろと話をして佐藤輝の考えを聞いてきたが、チャンスで打てなかったら悔しがっているし、責任も感じている。内角を攻められてそれを仕留められていないのだが、打撃コーチやスコアラーも話を聞いてあげてほしい。特効薬はないし、急に打てるものでもないのだから。6回1死からわずかにグラブが及ばず岡林に三塁線を破られる二塁打にされた。失策ではないが、次はアウトにして投手を助けられるようにならないといけない。

 佐藤輝に一番期待されているのはホームランを打つことだけど、伊藤将と同じ3年目の主力選手。若い選手が見ているし、そういう姿勢でチームを引っ張っていく立場。負ける時もあるが、リーグ優勝への本当の勝負どころとなる夏以降へ、2選手とも今やれることを、きちんとやれる選手であってほしい。(スポニチ本紙評論家)

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