広島・新井監督1差2位「隙があったら突いてやる、意識の高さ」に手応え ベイのミスにつけ込み4連勝

[ 2023年7月17日 06:03 ]

セ・リーグ   広島3―2DeNA ( 2023年7月16日    横浜 )

<D・広>ヒーローインタビューを終えガッツポーズの野間(撮影・島崎忠彦)
Photo By スポニチ

 広島は16日、DeNAとの接戦を3―2で制して2位に浮上した。単独首位だった4月17日以来、90日ぶりの2位以上。首位の阪神にも1ゲーム差に肉薄した。2―2の8回2死無走者から敵失で2死二塁とし、野間峻祥外野手(30)が決勝の中前適時打を放った。前半戦ラストスパートで、運も味方につけての4連勝。新井カープに真夏の快進撃の予感が漂う。

 野間は二塁塁上で満面の笑みを浮かべ、拳を突き上げた。同点の8回2死二塁。伊勢に2球で追い込まれながらも、3球続けてファウルで粘る。6球目の高め直球を見極めた後、カウント1―2から甘く入った7球目のフォークをしぶとく中前に運んだ。

 「三振しないようにと、何とか食らいついてつなぐ意識でいった。外野に抜けてくれと思って走っていた」

 7回に同点とされた直後に、2死無走者から相手のミスに乗じた。2死から1番・上本が打ち上げた平凡な飛球を右翼手・関根が落球する失策。幸運を味方につけ、一気に決勝点につなげる攻撃は、今のチームの勢いを象徴していた。

 野間は8回の打席の直前から右足がつるアクシデントに見舞われていた。適時打を放った後には大事を取って代走・矢野が送られたが、「全然大丈夫。水分補給して寝ます」と笑み。試合後は炭酸飲料を自販機で購入し、しっかりした足取りでバスに乗り込んだ。

 4番・西川が右脇腹故障で登録を外れた12日から4連勝。巧打のポイントゲッターを欠いた苦境で、チーム一丸となって連勝につなげている。野間も「(西川は)“大丈夫っす”と言っていたので。みんなで束になって、やっていくしかない。出た選手が頑張って、みんなで勝ちに向けてやっていくだけ」と訴えた。今季の1点差試合は14勝15敗と苦戦しているが、7月に限れば3勝1敗。前日のDeNA戦も9回の逆転劇で2―1で制した。DeNA戦は5連勝。成長を続けるナインの粘り強さに、新井監督は目を細める。

 「ミスにつけこんでいくというのは、流れ的にも大切なこと。連日、僅差のゲームを勝ち切れているというのは、みんなの力だと思う。何か隙があったら突いてやるぞという、そういう意識の高さが全員に見て取れる。頼もしくなっている」

 4年ぶりの貯金8とし、首位・阪神にも1ゲーム差に迫った。前半戦は残り1試合。5連勝で締め、首位浮上へ弾みをつける。(長谷川 凡記)

 <17日勝つか分けで2位ターン>○…広島が2位に浮上した。17日のDeNA戦に勝つか引き分けると前半戦2位での折り返しが確定する。広島の前半戦2位以上は18年(1位)以来5年ぶり。新人監督に限ると89年に山本浩二監督が42勝27敗4分けで2位ターンして以来34年ぶりとなるがどうか。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年7月17日のニュース