ソフトB投手陣立て直しへ 育成3位右腕・木村光を支配下登録へ ナオト・インティライミ似の23歳

[ 2023年7月17日 06:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク1―2オリックス ( 2023年7月16日    ペイペイD )

支配下登録されることが分かった木村光

 後半戦巻き返しへ投手陣の希望の光になる――。ソフトバンクは16日、オリックスと対戦し、延長10回に勝ち越しを許し屈辱の8連敗。立て直しを図るチームはさっそく動いた。22年育成ドラフト3位の木村光投手(23)が同日、支配下登録されることが分かった。今春キャンプから育成で唯一、B組(2軍)に抜てきされるなど、6月から先発に定着し、ウエスタン・リーグ15試合で1勝4敗、防御率3・14。制球と総合力を評価され、4軍制を敷いた今季初の昇格となった。

 大卒育成1年目の背番号「160」が、念願の夢をつかんだ。2軍戦で奮闘を続けた木村光は、停滞する1軍投手陣にとって光明と判断された。球界初の4軍制を敷いた初年度の育成54選手で初の昇格、2桁の背番号を手にした。

 小久保裕紀2軍監督に入団時から期待されていた。今春の宮崎でのB組(2軍)キャンプに新入団の育成14人で唯一、抜てきされた。ウエスタン・リーグの開幕時から中継ぎで起用され、6月からは先発ローテーションの一角を託された。同月の先発初勝利の際には指揮官から「支配下をみんな見据えてやっている。気を引き締めてやれ」と助言された。成績が安定し今夏に1軍の戦力相当と判断されたのが“緩急”だった。

 直球の最速は150キロ。安定した制球力でスライダー、スプリット、ツーシームで打たせて取るタイプだが多投を控えていたカーブをカウント球にし球速幅を広げた。高村祐、田之上慶三郎2軍投手コーチから球の高低の精度、打者のベルトラインへの浮き球への警戒を口酸っぱく言われてきたことで、柔剛を併せ持つ右腕に成長した。

 中継ぎ、先発を経験し多彩な投球だけでなく、フィールディング能力も高い。「あとは細かいコントロールの部分ですね」と小久保監督は支配下登録の期限の迫った7月上旬に太鼓判を押していた。

 現支配下選手では不在だった奈良県出身選手の誕生。同県出身のホークス選手は、02年まで福岡ダイエーに在籍した野手の野々垣武士氏以来となる。筑後ファーム施設での選手間の愛称は「キムJ」で、顔はミュージシャンのナオト・インティライミをほうふつとさせる。小柄な個性派で、人気面でも期待が持てそうだ。

 チームは、泥沼の8連敗。この日は、延長10回に3番手・松本裕がセデーニョに決勝弾を浴びた。木村光が新鮮力として後半戦から、1軍投手陣の欠かせないピースとなれるのか。まずは18日のフレッシュオールスターゲーム2023(富山市民球場)で好投を見せ、最高の形で1軍へ合流する。

 ◇木村 光(きむら・ひかる)2000年(平12)7月2日生まれ、奈良県桜井市出身の23歳。中学時代は岡本和、鍬原(ともに巨人)が在籍した橿原磯城(かしはらしき)リトルシニアでプレー。奈良大付で18年の3年夏に甲子園出場し羽黒(山形)、日大三(西東京)戦完投。佛教大では全日本大学選手権に3度出場。3年冬に日本代表合宿に参加。ウエスタン・リーグ15試合で1勝4敗、防御率3.14。16四死球、40三振。身長1メートル73、69キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年7月17日のニュース