「アメリカン・ドリーム」を期待せずにいられない Wソックス11巡目指名の西田陸浮

[ 2023年7月15日 08:00 ]

ホワイトソックスから11巡目で指名を受けたオレゴン大の西田陸浮内野手(AP)
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 確かに狭き門だろう。それでも「アメリカン・ドリーム」を期待せずにいられない。

 11日、MLBドラフトでオレゴン大の西田陸浮(りくう)内野手(22)がホワイトソックスから11巡目(全体329番目)で指名された。日本人選手がMLBドラフトで指名されるの5人目の快挙だ。当日、スポニチ本社にいた記者は関係各所に取材。西田が宮城・東北高時代の監督だった我妻敏さん(東北福祉大野球部コーチ)とも電話で話をした。

 我妻さんいわく、西田は「明るくて、ちょっとやんちゃ。でも同級生や仲間からの信頼は厚い男」。ドラフト指名直後のLINEでのやり取りも教えてもらった。西田からは「我妻先生!ドラフトかかりました!ホワイトソックスです!」。高3時の進路指導では、本人は「将来は経営者になりたい。語学留学のつもりで」と言っていたという。それがメジャー球団からのドラフト指名となり、我妻さんも「ビックリした」と驚いていた。

 もちろん、これはゴールではない。ここからが本当のスタートだ。過去にドラフト指名された4人の日本人選手のうち、メジャー昇格を果たしたのは13年にヤンキースから2巡目で指名された加藤豪将(現日本ハム)のみ。それも指名から10年かかっている。また、NPBを経ずにメジャー昇格した選手もマック鈴木、田沢純一、多田野数人、加藤の4人しかいない。ただ、田沢と多田野は日本のドラフトでも上位候補だった。そう考えると、いかにメジャーの舞台に立つのが「狭き門」かというのが分かる。

 西田は身長1メートル68と小柄。俊足が最大の武器だが、一方で渡米してから2年間は本塁打0だったのが、ウエートトレなどでパワーをつけてオレゴン大での今シーズンは5本塁打を放った。1メートル68は首位打者3度のアストロズ・アルテューベと同じ。小さな体の西田が、大きなドリームを追う――。夢をかなえ、エンゼルス・大谷らと同じ舞台に立つ。そんな痛快なシーンが楽しみでならない。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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