鳥栖工 松延“がばい兄弟バッテリー”で春の王者・佐賀北撃破 初の聖地へ主役になる

[ 2023年7月15日 04:00 ]

第105回全国高校野球選手権佐賀大会2回戦   鳥栖工2―1佐賀北 ( 2023年7月14日    みどりの森県営 )

<佐賀北・鳥栖工>笑顔で肩を組む松延兄弟(左から弟の響、兄の晶音)
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 佐賀大会は2回戦の6試合が行われた。鳥栖工は春の王者でシード校の佐賀北に2―1で競り勝った。松延兄弟の弟、響投手(1年)が5回から2番手で登板し、5回無失点の好投。捕手としてバッテリーを組んだ兄の晶音(あぎと、3年)も好リードでもり立てた。

 1点リードの9回2死。最後の打者をスライダーで三振に打ち取ると、鳥栖工の松延兄弟の弟、響は軽く飛び跳ねて喜んだ。5回無失点の好リリーフで優勝候補で07年夏に「がばい旋風」で全国制覇した佐賀北を撃破。バッテリーを組んだ2学年上の兄の晶音から「ナイスピッチング」とねぎらわれると、表情が緩んだ。

 小学時代の儀徳町少年野球部、中学時代の鳥栖リトルシニアと兄の背中を追ってきた。高校に入ってからチーム事情で兄が捕手に転向したことから最初で最後かも知れない「バッテリーを組みたい」という夢をかなえるために鳥栖工に進んだ。

 夏の初戦で実現したのが5回だった。「お兄ちゃんは何でも止めてくれると信じている。腕を振るだけだと思った」と自己最速の142キロの直球を投げ込むなどボールに力があった。最大のピンチは7回だった。連続四球と安打で無死満塁。相手の5番打者を直球で詰まらせてホーム併殺打で打ち取ると、後続も抑えた。「味方の支えもあっていいピッチングができました」とバックに感謝。高校に入っての練習試合はどんなに長くても3回が最長だっただけに大坪慎一監督からは「アドレナリンが出ていたのかな。今日は兄弟バッテリーに尽きる」と称えられた。

 チームとしては春の県大会2回戦で6―14で大敗したリベンジに成功。打撃は無安打だったが2つ四球を選び、弟をリードした兄の晶音は「最高でした。今までで一番うれしかった勝利です」と笑みがはじけた。チームとしては春夏通じて初の甲子園を目指す。06年の佐賀商を最後に連覇がない佐賀の夏。松延兄弟がいる鳥栖工が主役になる。(杉浦 友樹)

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