ロッテ・朗希14Kで投手3冠 前半戦で8度目2桁は95年伊良部以来球団2人目 最速タイ165キロ出た

[ 2023年7月13日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ5―3オリックス ( 2023年7月12日    京セラD )

<オ・ロ>力投する佐々木朗(撮影・後藤 正志)
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 ロッテの佐々木朗希投手(21)が12日、オリックス戦で7回3安打1失点で7勝目。自己最速タイの165キロを記録するなど相手を圧倒して今季最多の14三振を奪った。チームでは95年の伊良部秀輝以来、28年ぶり2人目となるシーズン8度目の2桁奪三振を記録。再び規定投球回に達し、奪三振だけでなく防御率、勝率も含めて3冠となり、チームも2位に浮上した。

 投手の体力が落ちてくる夏。ペース配分を覚えた佐々木朗には関係ない。今季最多の14三振と圧巻の奪三振ショーを披露した怪物右腕は「先制されたけど打線の援護があって投げきることができた。点差があったので自分の形で、自分のペースで攻めることができた」と涼しい顔で言った。

 初回2死一塁からセデーニョに145キロのフォークを痛打されて1点を失ったが、焦らない。味方が逆転してくれた2回以降は別人のように三振の山を築いた。4回の頓宮への4球目は自己最速タイの165キロを記録。5回先頭の野口にはフォークを5球続けて10個目の三振を奪い、わずか4回1/3で自己新となるシーズン8度目の2桁奪三振を達成した。直球に力があり、最速150キロを記録したフォークで14三振中10三振。7回、104球を投じ3安打1失点で7勝目を挙げた。

 数字が佐々木朗の余力十分の投球を証明する。直球の平均球速は初回に159・7キロを記録。3回は最も遅い156・3キロだったが、出力を調整しながら6回に最速の161・6キロをマークした。終盤の2イニングの6、7回は全て直球が160キロ以上。2回以降はオリックスに二塁を踏ませなかった快投を、吉井監督も「もともと修正能力は高い子で、ここのところペース配分もできている」と高く評価する。先発全員三振は完全試合を達成した昨年4月10日の同戦以来、自身2度目。当時の“無双状態”を感じさせる快投だった。

 シーズン8度以上の2桁奪三振は94年に11度、95年に12度の伊良部以来、チーム2人目。前半戦での8度は58年・国鉄の金田正一、93年・近鉄の野茂英雄、03年の西武・松坂大輔らに並ぶ快挙だ。吉井監督は「伊良部の方が体ががっちりしていてマウンドでも強そうだった。朗希も、それに近づけるように頑張ってほしい」とまだまだ限界を見せない右腕に期待する。

 佐々木朗は「いい形できているので、ケガなく後半戦も投げられたら」と見据える。ファン投票1位で選出された球宴前最後の登板でリーグトップの奪三振を121まで伸ばし、再び規定投球回に達して防御率、勝率も合わせて3冠となった。大人の投球で酷暑を乗り切れば、とんでもない数字が残りそうだ。(大内 辰祐)

 ≪相手先発全員から奪三振≫佐々木朗(ロ)が相手先発全員から合計14三振を奪う力投。先発全員奪三振は、完全試合を達成した昨年4月10日オリックス戦以来自身2度目だ。ゲーム2桁奪三振は今季8度目(通算16度目)で、昨季の7度を上回るシーズンベスト。チームでシーズン8度以上は伊良部秀輝が94年に11度、95年に12度を記録して以来2人目となった。また、シーズン前半戦でゲーム2桁奪三振を8度は、68年江夏豊(神)、90、91年野茂英雄(近鉄)の11度に次ぎ、03年松坂大輔(西)、10年ダルビッシュ有(日)らに並ぶ4位タイ。ロッテでは前記伊良部が94年にマークした8度に並ぶ球団最多記録になった。

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