日本ハム・山本拓 新庄監督が用意した“晴れ舞台”で2回完全 指揮官「最高」

[ 2023年7月10日 10:24 ]

ロッテ戦で力投する先発の山本拓
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 中日からトレードで加入した日本ハムの山本拓実投手(23)が9日のロッテ戦で移籍後初先発し、予定の2回を無安打無失点と完璧に封じた。ともに中日から加入した郡司裕也捕手(25)とバッテリーを組み、最速151キロの直球を軸に2三振を奪った。降板後に新庄剛志監督(51)から「最高」と絶賛されるなど、4連敗を喫したチームで輝きを放った。

 3万1083人の観衆が、新加入・山本拓の快投に酔いしれた。予定の2回を投げ、無安打無失点と完璧な投球を披露。わずか22球の圧巻の内容に、新庄監督も思わず立ち上がってこう声をかけた。「最高――」。右腕を称えるには、この一言だけで十分だった。

 「染みました。ある意味、今日が凄い大事。チームメート、ファンの印象もそう。2イニングしか投げていないが、結果という形で見せることができたのは良かった」

 初回先頭の藤岡に対して2球続けて強気の内角攻めから、最後はシンカーで一ゴロに封じるなど3者凡退の立ち上がり。2回は4番・ポランコを遊飛、山口を空振り三振に切ると、最後は安田を中飛に仕留めた。一人の走者も許さない完璧な投球に、郡司も「今日は山本拓実史上、一番良かった」と絶賛した。

 あえて観衆が見込まれる日曜日に元中日バッテリーを先発起用するなど、自称「職業、モチベーター」の新庄監督が用意した晴れ舞台。3位・ロッテとの大事な直接対決だったが、満点回答で期待に応えた。家族も駆けつけた一戦で好投し「打者との勝負を楽しめたというか。自分のできることをやった上でいい結果が出た」と、胸を張った。

 先発転向も視野に入る内容だったが、建山投手コーチは「良い意味で先発は考えていない。先発一本にすると逆に良さを消してしまう」と、期待の大きさを口にする。「投げろと言われたところで投げるくらいの気持ちで。いい準備をするだけ」と山本拓。新天地で新たな一歩を刻んだ。(清藤 駿太)

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