近本不在「1番」任せろ! 阪神・中野、マルチでけん引「どんな形でも塁に出ることを大事にやっていく」

[ 2023年7月5日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1ー9広島 ( 2023年7月4日    マツダ )

<広・神>初回、遊内野安打を放った中野(撮影・岸 良祐)
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 離脱した近本に代わり、6月25日DeNA戦(横浜)以来となる今季2度目の「1番」に入った阪神・中野が意地の2安打を放ち、切り込み隊長としての役割を果たした。

 初回先頭で先発・床田から遊撃内野安打を放つと、6回の第3打席でも先頭で右前打。ここまでシーズン73試合、ほぼつなぎ役に徹してきた27歳が、近本復帰まで猛虎打線をけん引していく構えだ。

 「1番だからと言って、いつもと違うことをする、という考えはなかった。2番でやっている感覚で打撃をした方がいいので」

 近本が不在でも、何も変えない。だから変わらず快音が響いた。初回はカウント1ストライクから2球目をフルスイング。変則回転がかかった打球は、小園の焦りを呼んだ。球を握り直しての一塁送球となったため、間一髪セーフ。本家の「1番」に負けず劣らずの快足が生きた。この後、1死一、二塁の先制機を形成。ここは無得点に終わり、直後の守りで5点を奪われて試合の流れはほぼ決まったが、初回に得点できていれば展開はガラリと異なるものになっていただろう。

 近本離脱の初戦、その第1打席で“代役”がきっちりと口火を切った。背番号5がいなくても、虎は立派に戦える。完敗を喫し、中野も口数こそ多くはないが、5日以降も「1番・二塁」で起用されることが決定的。だからこそ「第1打席」を重要視する。

 「昨年も1番を打った時に、初回の入りが一番大事だなと思っていた。どんな形でも塁に出るってことを大事にやっていければ」

 今季ここまで全試合フルイニング出場を続けていた近本と中野。大事な“相棒”が戦線を離脱した今、背番号51の小さな背中にのしかかる重圧は大きい。でも中野なら力に変えられる。「もっともっと塁に出て、勢いを与えられるようにやっていければ」。虎の前に立ちはだかる壁に、穴を開ける。(八木 勇磨)

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