オオタニサ~ン三塁打王!本塁打王と45年ぶりW栄冠見えた 両リーグトップタイ5本目 連日サ~ン安打も

[ 2023年6月30日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5―11ホワイトソックス ( 2023年6月28日    アナハイム )

エンゼルス・大谷(撮影・沢田 明徳)
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 エンゼルス・大谷翔平投手(28)が28日(日本時間29日)、ホワイトソックス戦で自身3度目となる2試合連続の3安打をマークした。初回にはリーグトップに並ぶ今季5本目の三塁打。「本塁打王&三塁打王」なら78年のジム・ライス(レッドソックス)以来45年ぶり9人目で、類いまれな走力も併せ持つ大谷ならではの数字だ。打率もリーグ4位の・309にアップ。夢の3冠王も視界に入ってきた。

 野球の攻撃シーンで、本塁打以外で最もスタンドが沸くのが三塁打だろう。英語では「Triple」。大谷が「トリプルキング」になろうとしている。初回1死。打球が右翼線を抜けると、本拠地のファンは総立ちだ。右翼手が打球の処理にもたつくや、大谷は一気に二塁を蹴る。両リーグトップに並ぶ今季5本目の三塁打。続くトラウトも左越え三塁打で、「トラウタニ」の連続三塁打にスタンドは沸きに沸いた。

 直球が4球続いた後、5球目のチェンジアップ。体勢を崩されながらも右手一本で運ぶ。そして大きなストライドの軽やかなフォーム。長距離砲でありながら、抜群の走力を併せ持つ大谷だからこそ45年ぶりの快記録を可能にする。28本で両リーグトップの本塁打王と三塁打王を同時に獲得すれば、78年のジム・ライス以来。大谷は21年に8三塁打で両リーグトップになっており、十分に狙える。

 さらにもう一つ視界に入るのが、12年ミゲル・カブレラ(タイガース)以来で、ベーブ・ルースも達成できなかった3冠王だ。2試合連続で3安打。8回には速度102・2マイル(約164キロ)の強烈な打球が元同僚の投手ミドルトンの顔面すれすれを襲う中前打を放ち、左手で「ごめんね」と気遣うシーンもあった。3安打は今季10度目だが6月だけで6度目。打率をリーグ4位の・309に上げ、同2位の64打点と合わせて「トリプルクラウン」は夢ではない。

 大谷は前日、打撃好調な理由を「長い間(ボールに)コンタクトできる準備ができている分、詰まっても泳いでもしっかり振る準備ができている」と明かした。この日の三塁打に9回の二塁内野安打、前夜の28号ソロも体勢を崩され最後は右手一本になりながら打ったもの。ボールを少しでも長く見ることで対応を可能としている。

 「投打共に驚かせてくれる。スーパースターは常に試合を決めることができる。大谷はWBCでもそうだったし、ここでも大きな仕事をしている」とフィル・ネビン監督。試合には敗れたが、大谷の存在感はいかなる時も群を抜いている。(笹田幸嗣通信員)

 ≪「W達成」過去8人≫大リーグで本塁打王&三塁打王を達成したのは過去に8人だけ。2度以上達成は1880、91年のハリー・ストービーのみ。半分が「飛ばないボール」だった1920年以前で、同年以降に達成した4人はいずれもMVP経験者で殿堂入りしている。またNPBでの達成者は2人しかおらず、1947年の大下弘(東急=<本>17、<三>11)と、95年の小久保裕紀(ダイエー=<本>28、<三>9)だけ。大谷は21年には8三塁打がリーグトップながら、46本塁打はリーグトップに2本及ばなかった。また、大谷の3安打は今月6度目で、日本選手では04年8月に月間11度記録したイチロー(マリナーズ)に次いで2番目に多い。

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