槙原寛己氏 3打席違う配球に対応のDeNA・牧さすが ロッテ・朗希はいい勉強に

[ 2023年6月19日 05:30 ]

交流戦   ロッテ1―6DeNA ( 2023年6月18日    横浜 )

<D・ロ>4回、適時打を放つ牧 (撮影・白鳥 佳樹)
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 【槙原寛己 視点】見応えがあったロッテ・佐々木朗とDeNA・牧の対決。第1打席から両者の駆け引きがあった。初球から3球連続直球でカウント3―0。佐々木朗は珍しく力んでいた。昨年交流戦での初対戦では牧に手痛い一発を浴びている。直球を2球見逃された後の130キロカーブを右翼へ運ばれた。1年前のこととはいえ投手は過去の苦い経験は鮮明に覚えている。佐々木朗のようにホームランを打たれたことの少ない投手はなおさらだ。4球目以降カーブどころかフォークも使わない。2球直球で3―2とし、6球目も直球を投げて左翼線へ二塁打。牧への過剰な意識が直球勝負を選択させその後の配球に影響を与えることになる。

 4回2死三塁で迎えた2度目の対決。第1打席で直球を打たれた佐々木朗はフォークで入って見逃し。162キロ直球で空振りを取って追い込んだ。ベース盤の上にワンバウンドで落とせば三振を取れる場面。当然フォークを選択したが、落ちが甘かった。この試合、佐々木朗のフォークの精度は悪く、もっと慎重にいく必要があったと思う。浮いたところを捉えられ左前へ同点打。今度は牧を意識するあまり勝負を急いで墓穴を掘った。6回の第3打席は初球のスライダーを左中間へ。直球から始まりフォークにスライダー。3打席、違う球種を牧に打ち砕かれたことになる。

 佐々木朗との1年ぶりの対決でも全ての球種にアジャストできる牧はさすが。DeNA打線は、つないでつないで走者をスコアリングポジションに送り、佐々木朗に圧力をかけていた。負けはしたが佐々木朗はいい勉強になったと思う。(スポニチ本紙評論家)

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