阪神・佐藤輝 自己最長トンネル抜けた!95打席ぶり弾 「久々だったのでうれしかった」

[ 2023年6月17日 05:15 ]

交流戦   阪神4-1ソフトバンク ( 2023年6月16日    甲子園 )

<神・ソ> ヒーローインタビューを終え、場内を1周する佐藤輝 (撮影・須田 麻祐子)
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 阪神・佐藤輝明内野手(24)が16日のソフトバンク戦で5月19日の広島戦以来、自己最長のトンネルを抜ける95打席ぶりの9号を放った。1点を勝ち越した6回、なお2死二塁でフルカウントから和田のチェンジアップを右翼席へ。甲子園では過去2試合計15回無失点だった難敵左腕を沈め、4カードぶりの初戦白星をたぐり寄せた。

 誰より佐藤輝自身が、この瞬間を待ちわびた。低く、強い弾丸が、まったく失速することなく黄色く染まった右翼席に突き刺さった。代打・原口の中越え二塁打で勝ち越した直後の6回2死二塁。フルカウントから和田の内角低めチェンジアップを砕いた。

 「チャンスの場面だったし、思い切ってスイングした。原口さんが打ってくれて、気楽に打席に立てた」

 ようやくトンネルを抜けた。5月19日広島戦の第2打席で放った8号以来、実に95打席ぶり。なかなか打球がフェンスを越えなくても信念は変えなかった。「早く打ちたいと思ってましたけど、焦ってもいいことない」。泰然自若を貫き、早出特打にも取り組み、淡々と打開へ鍛錬した。だから「久々だったのでうれしかった」の言葉は偽らざる本音だろう。

 快打の予兆はあった。本塁打の1打席前は4回2死一、三塁の好機。和田の内角直球をきれいに引っ張り、一塁へ糸を引くようなライナーを放った。不運にも中村晃の正面を突いても、「いいコースを引っ張れたので(次も)同じ感じでいった」と両手に残った確かな感触を放物線へと昇華させた。

 試合前には昨オフに自主トレをともにしたソフトバンク・柳田とも旧交を温めた。「技術の話はしていない。(再会できて)交流戦ならではのうれしさもあった」。ド派手な一発で目標とする師匠に成長した姿を見せ、聖地に集った今季最多の4万2631人を酔わせた。一進一退を続けてきた交流戦は2試合を残すだけ。「こういう大勢のファンの前で打てるように頑張る。3つ勝ちます!」。ようやく息を吹き返し、新人から3年連続2桁本塁打に王手。もう停滞するつもりはない。(八木 勇磨)

【データ】
 ○…佐藤輝(神)が6回の第3打席で右越えに9号2ラン。5月19日広島戦4回第2打席以来、出場23試合、95打席ぶりの本塁打。前日15日のオリックス戦での4打席本塁打なしで92打席連続とし、新人の21年8~10月の91打席連続を上回る自己最長ブランクになっていた。

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