エンゼルス・大谷22号&1カ月ぶり6勝目!投打で両リーグ1位 被打率・178&OPS1・002

[ 2023年6月17日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5-3レンジャーズ ( 2023年6月15日    アーリントン )

<レンジャーズ・エンゼルス>力投する大谷(撮影・会津 智海)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が15日(日本時間16日)、レンジャーズ戦に「2番・投手兼DH」で出場。投手では6回2失点で5月15日以来の6勝目を挙げ、打者では8回に両リーグトップタイに浮上する22号2ランを放った。これでOPS(出塁率+長打率)1・002と被打率・178が両リーグトップで、1900年以降の近代野球では初の快挙。日本が世界に誇る二刀流が異次元のステージに歩を進めた。

 右翼に引っ張る打球に見劣りしない飛距離。大谷は決して逆方向に流し打ってはいない。球場全体に響く、強烈な打球音がそれを物語る。3―2の8回無死一塁。左腕バークのスライダーを手元まで引きつけ、体に巻き付くようなバット軌道で強振。打球を中堅左のアッパーデッキ(2階席)付近まで運んだ。

 「構えの段階で(球の)見え方がいい。なるべくしてなっている感じがいいと思う」

 2試合連発で、ここ7試合で6発を量産。自身の勝利投手の権利も守る貴重な2ランは、メッツのアロンソに並ぶ両リーグトップの22号だ。今4連戦で放った4本全てが中堅から左方向への一発。打球速度109・4マイル(約176キロ)、飛距離443フィート(約135メートル)の特大弾に「逆方向には勝手にいっている感じ。それが一番いい」と手応えを語る。21年の自己最多46本を超えるシーズン50発ペースに突入。連続試合安打を12まで伸ばし、好相性の6月の打率は・426。シーズン打率も5月15日以来の3割(・301)に乗せた。

 マウンドでは「(相手が)振り遅れていると思う場面が多かった」と変化球待ちを察し、全99球中、直球を今季最多47球(47%)投げた。最速100・3マイル(約161キロ)。得意のスプリットは一球も使わず、6回6安打2失点にまとめ、1カ月ぶりの6勝目を挙げた。被打率・178は両リーグトップを堅持し、強打者の指標のOPSは超一流とされる1・000を両リーグで唯一超えて1・002。両項目で両リーグトップ(被打率は70イニング以上登板)は、1900年以降の近代野球では初の快挙となった。

 チームは地区首位とのヤマ場の4連戦を3勝1敗。大谷は12打数7安打、打率・583、4本塁打、8打点と打ちまくり、白星も挙げた。レ軍と4・5ゲーム差でワイルドカードシリーズ進出圏内にも1差。チーム9年ぶり、自身初のポストシーズン(PS)進出へ弾みをつけ、米データサイト「ファングラフス」が算出するPS進出確率も今季最高の40・9%まで上昇した。

 「ベンチの熱気はここ最近で一番。続くように頑張りたい」と大谷。エースで、さらに3割、50本塁打を記録する選手なんて、これまで空想すらされてこなかった。異次元の活躍が、自身初のPS進出につながっている。(笹田幸嗣通信員)

 ≪打率3割乗った!打点は2差4位≫大谷は日本選手初の本塁打王はもちろん、12年カブレラ(タイガース)以来、11年ぶりの「3冠王」ですら現実味を帯びてきている。打率.301はリーグ5位タイ。トップのビシェット(ブルージェイズ)の.318とは1分7厘差だ。54打点はリーグ4位。こちらは1位のディバース(レッドソックス)に2差に迫る。また、大谷は現在10盗塁でシーズン22個ペース。ここからハイペースで数字を積み上げれば「トリプル3」も見えてくる。

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