スランプのトラウト 速い球に振り遅れ 6月は対速球の打率が・115

[ 2023年6月15日 08:50 ]

エンゼルスのトラウト
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 スポーツイラストレイテッド誌のトム・ベデューチ記者が14日(日本時間15日)、エンゼルスのマイク・トラウトが彼のキャリアで最も長く、不思議なスランプに陥っていると伝えている。

 近年のメジャーで最も偉大な打者だが、今季はフォーシームとシンカーの速球系に全く対応できていない。昨季までは対速球は打率・309だったが、今季は・211。そこで相手投手は速い球でどんどん攻め、本人もわかっているのに芯で捉えられない。

 一般に、投手はパワーのない打者に対しては速い球で積極的に攻めてくる。例えばガーディアンズのマイルズ・ストローは63%が速球、スティーブン・クワンも60・8%、パドレスのオースティン・ノーラが58・9%、マーリンズのジョン・バーティーは57・8%だ。この4人は今季足し合わせても5本塁打。それが今季14本塁打のトラウトに対し、投手は63・9%と、非力な打者以上に速球に偏って投げ込んでくる。「速い球で行くぞ、打てる者なら打ってみろ」となめられてしまっている。

 良く知られているように、もともとトラウトは高めの速球は苦手だった。だが今は他のコースでも打てない。5月7日以降の33試合は打率・208、出塁率・324、長打率・375のスランプだが、この期間、相手投手は82%が速球で、それに対し打率は・174。6月に限定すると速球が78・2%で、打率・115だった。

 エンゼルスのフィル・ネビン監督は「こんなに長くはなかったが、以前もこんな時期があった」と明かす。ちなみに本人が説明しているが、トラウトの打撃の成功のカギは、踏み出していく左足。タイミングがうまく合えばすべてのメカニックが適切な順序で流れていく。そうでないときは、神経過敏になってしまい、バットを振り遅れる。ネビン監督は「復調の兆しは見えている」というが、果たしてどうなるだろうか。

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2023年6月15日のニュース