エンゼルス・大谷 85年ぶり二刀流猛打 登板日4度目の3安打以上 自ら援護17号も出た

[ 2023年6月11日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5ー4マリナーズ ( 2023年6月9日    アナハイム )

エンゼルス・大谷翔平
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が9日(日本時間10日)、マリナーズ戦に「2番・投手兼DH」で出場。5回3安打3失点で6勝目はならなかったが、打っては17号2ランを含む「サイクル未遂」の3安打。今季2度目の5連勝に貢献した。登板試合での3安打以上は今季4度目で、ア・リーグでは85年ぶり。「二刀流」で猛打を振るった。

 勝利に沸くクラブハウス。同い年のカブス・鈴木の話題を振られた大谷は笑った。「打撃のことを教えてくれない。“ケチ谷”と呼んでいる」――。前夜の親友の言葉に「初めて聞きました(笑い)。まあ、言われましたけど。僕も教えられるような打撃をしていないので」。そう話した「ケチ谷」の猛打を目の当たりにしたら、鈴木は一体何と言うだろうか。

 投げれば、打つ。野球少年がそのまま大きくなったような二刀流。最高のリズムなのかもしれない。3回2死一塁。甘いチェンジアップを捉えて右中間に同点の17号2ランを叩き込んだ。リーグトップのジャッジ(ヤンキース)に2本差に迫る一発は、飛距離440フィート(約134・1メートル)の特大弾。打球速度112・9マイル(約181・7キロ)は15年以降の投手の打球では歴代4位で、その4位までは大谷が独占している。

 「バッティングは良かったと思う」。初回1死で三塁内野安打。5回2死一塁では左中間二塁打を放った。サイクル安打に王手をかけた7回1死二塁では一ゴロ。今季4度目の「サイクル未遂」に終わったが、登板試合での3安打以上は今季4度目で、58年の殿堂入り左腕スパーン(ミルウォーキー・ブレーブス)以来65年ぶり。73年からDH制のア・リーグでは、1938年のストラットン(ホワイトソックス)以来85年ぶりだった。

 今季登板時の打撃成績は打率・392、2本塁打、8打点。「数字に関してはたまたま。チームが勝ったので、それが何より」と今季2度目の5連勝を喜んだ。今季初の中6日で登板間に2度、ブルペンに入って臨んだ投手としては5回3安打3失点で今季最多タイの6四死球。「体が動きづらかった。今シーズンの中でも一番悪いぐらいの出来。全体的にヌルッとした投球だった」。4試合続けて白星を逃したが、「投」が駄目なら「打」で勝利に導く。だから二刀流には、価値がある。(笹田幸嗣通信員)

 ≪3年連続の100K≫大谷が今季6度目の3安打以上をマーク。うち投手として登板時は4月27日、5月3日、5月15日に続き4試合目となった。今季の投手で先発した試合の通算打撃成績は51打数20安打、打率.392。またこの日の6奪三振で今季102奪三振となり、3年連続100奪三振をクリアした。

 ≪「170キロ男」5球降板≫「170キロ男」の新人右腕ジョイスが、わずか5球で負傷降板した。大谷の後を受けて6回に登板。しかし先頭打者に四球を与え、右前腕の違和感などを訴えた。テネシー大時代に105・5マイル(約169・7キロ)をマークしたドラフト3巡目ルーキーは「ちくちくするようなしびれを感じた」と10日(日本時間11日)に精密検査を受ける予定。フィル・ネビン監督は負傷者リスト(IL)入りを示唆した。

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2023年6月11日のニュース