パドレス・ダルの進化 スイーパーに依存せず球種増やしバランス◎ 最大の武器の威力は変わらず

[ 2023年6月11日 02:30 ]

ナ・リーグ   パドレス9―6ロッキーズ ( 2023年6月9日    デンバー )

<ロッキーズ・パドレス>メジャー通算100勝目を挙げたダルビッシュ(AP)
Photo By AP

 日本投手では野茂英雄以来2人目のダルビッシュのメジャー通算100勝。大リーグ公式サイトでデータ分析を担当するデービッド・アドラー氏が、進化を続ける右腕の凄みを語った。

 ダルビッシュはメジャーデビュー直後、曲がりの大きなスライダーが最大の武器だった。当時、まだスイーパーという呼称はなかったが、スイーパーを投げていた投手だった。試合前までの段階で、スイーパーではキャリア通算661奪三振。これは08年のトラッキングが始まって以降では最多だ。2位はオッタビノ(メッツ)の442。2位に200以上差のダントツだ。

 レンジャーズ時代は直球とスイーパーが中心で、よりパワーピッチャーに近かった。リーグ屈指の三振を奪える投手だったが、ほとんどが直球かスイーパー。1年目は221三振のうち158、2年目は277三振のうち244が直球かスイーパーだった。だが、現在はよりバランスがよくなっている。昨季197奪三振のうち直球とスイーパーが92、カッターとスライダーが31、ツーシームが15、スプリットで39、カーブが20。直球、スイーパーに依存せず、武器が増えた。だからこそ年齢を重ねても一流の投手でいられるのだろう。

 ただ、これほど球種が増えても最大の武器であるスイーパーの威力は変わらない。15年の横の変化は平均17インチ(約43・2センチ)だったが、今季は18インチ(約45・7センチ)。10種類の球種を投げるとされるが、その一つ一つの質の高さを物語る数字の一つだ。

続きを表示

2023年6月11日のニュース