智弁学園 大一番で淡路島出身の「村上2世」が4安打完封 投手強化の成果出る

[ 2023年6月5日 04:00 ]

春季高校野球近畿大会決勝   智弁学園10-0金光大阪 ( 2023年6月4日    シティ信金スタ )

<智弁学園・金光大阪>金光大阪打線を完封した智弁学園・中山(撮影・井垣 忠夫)
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 決勝があり、智弁学園(奈良)が金光大阪(大阪)を10―0で下し、2007年以来16年ぶり3度目の優勝を果たした。「3番・投手」で先発した中山優月(ゆづき=3年)が4安打8奪三振で公式戦初完封。金光大阪の初出場初優勝を阻止した。

 智弁学園が掲げた投手力強化は、春の近畿制覇となって実を結んだ。先発を託された背番号6の中山が4安打で公式戦初完封。「投手が弱いと言われるのが悔しかった。完封できて良かったです」。7―0の4回1死満塁から見逃し三振と左飛で切り抜ける勝負強さを発揮。同校を16年選抜優勝に導いた阪神・村上頌樹と同じ淡路島出身の「村上2世」が大一番で光った。

 昨秋の奈良大会準決勝で天理に1―4で敗れ選抜出場を逃した。敗戦後、選手間で話し合って「投手を強化しないと勝てない」と結論づけた。そこから週1回はバッテリーのミーティングを開き、珍しく小坂将商監督も投手指導に時間を割いた。昨秋にエースだった中山は、故障の影響で背番1から6に。それでも「2人には絆がある」とエース背番を譲った藤田健人(3年)と力を合わせ、投手陣は頼もしさを増した。

 初戦の大阪桐蔭戦は計5投手の継投で踏ん張り、決勝は中山が仁王立ち。今大会3戦26得点の打線に負けず劣らず、投手陣が輝いた。 (河合 洋介)

《金光大阪 完敗も夏へ手応え》
 金光大阪は、0―10の大敗で初出場初優勝を逃した。前日に142球完投したキャリー・パトリック・波也斗(3年)は、疲労を考慮されて登板回避。抜てきされた2年生投手2人が2回までに7失点して引き離された。大阪大会決勝で大阪桐蔭を破り、たどりついた近畿準優勝。横井一裕監督は「完敗です。課題は、ばん回できる攻撃力がなかったこと。ただしチームに粘り強さが出てきた」と夏へ手応えをつかんだ。

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2023年6月5日のニュース