新オバQだ! DeNA・牧が球団日本人で田代以来12球団最速10号「痩せないと」師匠から愛のムチ

[ 2023年5月31日 05:30 ]

交流戦   DeNA3―2楽天 ( 2023年5月30日    楽天モバイル )

<楽・D>9回、ソロを放つ牧(撮影・光山 貴大)
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 「打ったねえ!」。試合後。本人より「師匠」の田代巡回打撃コーチの方がうれしそうだった。DeNA・牧が9回2死で左中間へ10号ソロ。リードを2点に広げる貴重な一発は、球団の日本人選手では77年の田代コーチ以来となる12球団10号一番乗りの号砲だった。

 「(数字は)特に気にしていないけど、チームのために打てたので。ピッチャーを、チームを助けられて良かった」。4回2死一、三塁での決勝の左前適時打と合わせて3安打2打点。10本塁打、32打点はリーグ2冠だ。3月のWBCでは世界一に貢献。歓喜の舞台から帰国後、シーズン序盤はなかなか調子が上向かず、田代コーチも「ちょっと心配したんだよ」と振り返る。

 牧の体重は公称95キロだが「0・1トンあるから。動けるデブだけど、今年の春は太りすぎた。もう少し痩せないと」と田代コーチ。打撃では「構えで軸をどこに置くか」をチェックポイントに熱心に助言を送り続けた。「彼は頭がいい。自分のことを知っている」。その結果が球団では05年の村田修一以来3人目となる、入団から3年連続の2桁本塁打となった。

 「追加点がなかなか取れない中で大きな一発だった」。三浦監督も牧に最敬礼だ。仙台入りした前夜は首脳陣で決起集会。焼き肉を食べながら野球談議に花を咲かせ、結束を高めた。これで中止だった20年を除き、交流戦の開幕戦は7連勝となった。

 「(3年連続2桁は)そういう形で打てているのは凄くいい」と牧。田代コーチは「オバQ」の愛称で通算278本塁打を放った。師匠に負けじと、牧はバットを振り続ける。(鈴木 勝巳)

 ≪史上初3人同日到達≫牧(D)、浅村(楽)が万波(日)とともに両リーグ10号一番乗り。3人同日達成は69年5月14日の伊藤勲(大洋)、大杉勝男(東映)、17年5月13日のエルドレッド(広)、レアード(日)の2人を上回り、史上初となった。なお、牧は13年ブランコ以来球団5人目の両リーグ最速10号で、日本人では大洋時代の77年田代富雄以来46年ぶり。浅村は20年以来自身2度目、球団にとっても2度目の達成。前回は本塁打王を獲得したがどうなるか。

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2023年5月31日のニュース