ソフトB“甲斐打点”神話28連勝 天国の川村さんの誕生日に「本当にお世話になった方。勝てて良かった」

[ 2023年5月31日 06:00 ]

交流戦   ソフトバンク13―5中日 ( 2023年5月30日    ペイペイD )

<ソ・中>お立ち台で「千賀のホーク」の握りをする甲斐(左)と牧原大(撮影・中村 達也)
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 プロ野球の「日本生命セ・パ交流戦」が30日、各地で6試合が行われ開幕した。ソフトバンクはペイペイドームで中日と対戦し、甲斐拓也捕手(30)が、今季2号に今季初の3安打を放ち3打点の大暴れだった。チームは今季最多となる13得点で交流戦4年ぶりVへ爆勝発進。甲斐が打点を挙げれば昨年から続く連勝は28に伸びた。

 アンビリーバブルか、アメージングの表現なのか。ベンチ前で6回の猛攻を応援していた打点王・栗原が思わず笑顔で頭を抱えた。11―3の同2死一塁で甲斐が、3番手山本の直球を左翼テラス席に2号2ラン。今季最多だった17日楽天戦の10得点を3点更新する13得点目。中でも正女房は3安打3打点で、今季初の猛打賞とした。

 「とにかく思い切って自分のスイングをするだけ。何とか結果としては良かったです」

 いつも通り冷静だが鷹で話題の“甲斐打点”は1打席目から、またも継承された。1―0の2回2死一塁で左翼フェンス直撃の適時二塁打。4回には1死から中二塁打でチャンスメークし3得点につなげた。これで甲斐が打点を挙げれば今季12戦12勝、昨季からの連勝は28に伸びた。

 藤本監督は「甲斐がタイムリー打てば負けないんで。あれで(本塁打も)気持ち良くいけたんやないか」と不敗神話を信じるが、当の本人は至って冷静。「考えてないしあまり言われるのは好きやないけど(不敗に)なってるならうれしい」。常に真摯(しんし)かつ謙虚だ。

 甲斐、牧原大、近藤の“侍トリオ”の猛打賞もあって19年以来4年ぶりの白星発進。05年以降の初戦成績は10勝6敗2分け(20年は開催なし)で、さらに初戦の白星は“V吉兆”でもある。19年以来9度目の優勝を狙うが19年、17、16、08年が白星スタートからセ・パの頂点に立ってきた。指揮官も「1戦目で最高の出来です。打つ方はこの勢いで行ってくれたらいいですね。また明日から乗っていける」とご機嫌だ。

 実は、カード初戦の5月30日。20年9月15日に、くも膜下出血で急逝した川村隆史コンディショニング担当(享年55)の誕生日だった。記念日に、豪快に打ち勝っての爆勝発進。甲斐は「タク、タク(拓也)との声が聞こえてきそうですし、本当にお世話になった方。勝てて良かった」。柳田主将も「まずは勝てて良かったです」。中村晃も「きっちり勝って良かった」。鷹戦士は天国に向けてバットで、お祝いのメッセージを奏でていた。(井上 満夫)

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2023年5月31日のニュース