日本ハム・万波 12球団一番乗り10号&11号V弾 「バットちょうだい」村上に認められた男の本領発揮

[ 2023年5月31日 06:00 ]

交流戦   日本ハム2ー1ヤクルト ( 2023年5月30日    エスコンF )

<日・ヤ>6回、勝ち越しソロを放ちベンチの選手らとタッチを交わす万波(撮影・高橋 茂夫)
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 まさに御利益だろう。日本ハム・万波は試合前、自身のバットを神様に“奉納”していた。「うれしくないですか?3冠王に頼まれちゃった」と万波が明かしたのは、昨季に史上最年少で3冠王に輝き「村神様」と称されたヤクルト・村上との一幕。侍ジャパンのサポートメンバーでお世話になった大打者と交流戦の開幕で再会し「バット、ちょうだい」とおねだりされた。

 ルイスビル製のバットを手渡し、試合は今季4度目の4番。“ご加護”が与えられたのは1点を追う4回だ。先頭で相手先発・石川の外角130キロ直球を逆らわずに逆方向の右翼へ。同点に追いつく2戦連発の一発は両リーグ最速で、9本塁打で並んでいた村上を置き去りにする10号ソロ。「自分でもびっくりするくらいうまく運べた」と自画自賛した。

 勢いは止まらない。1―1の6回には2死から中越えへ勝ち越しのリーグ単独トップの11号ソロ。フルカウントから再び石川の133キロ直球を捉え、自身初となる2打席連発弾だ。新庄監督も「両リーグトップでしょ?写メ、撮っておいた方がいいですよ」と笑顔で称えた。

 昨季は開幕前に新庄監督からスター候補生に指名されながら、中盤に失速して2軍落ち。そのままシーズンを終えた。今季も今月に蓄積疲労から打率・216まで落としたが、同じ失敗はしない。試合中にはサプリメントを取るなど、高い意識で体のケアも考え「体が元気になるにつれて、結果も良くなってきた」と言う。初回の右前打も合わせた3安打で打率・263まで上げた。

 交流戦の初陣で勝利し、新庄政権最多の月間13勝(11敗)で5月は1試合を残して昨年9月以来の月間勝ち越しも決定。お立ち台で交流戦での目標を問われた万波は言った。「10本塁打、目指します!」。神の力を宿した新4番に、後光が差した。(清藤 駿太)

 ≪チームで両リーグ10号一番乗りはレアード以来≫万波(日)が10号同点弾、11号勝ち越し弾を放ち今季12球団最速で10号に到達した。チームで両リーグ10号一番乗りは17年レアード以来8人目、10度目で、日本人では15年中田(現巨人)以来だ。なお、5月30日、チーム49試合目での両リーグ10号一番乗りは、日付では58年葛城隆雄(大毎)の6月4日に次ぐ遅さ(6月開幕の20年は除く)。試合数では同じ葛城の46試合目を抜く最も遅い記録になった。万波のマルチ本塁打は昨年5月18日オリックス戦で第2、4打席目に打って以来2度目で、2打席連発は初めて。また、ゲーム2本の殊勲弾も初で、今季は全11本塁打中7本が肩書つきと殊勲の一発を量産している。

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2023年5月31日のニュース