【スポニチ潜入(2)滝川二・坂井陽翔投手】ダル、大谷を参考にしたフォームで世界へ

[ 2023年4月18日 09:00 ]

滝川二・坂井の投球フォーム(撮影・後藤 正志)
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 アマチュア野球の有力選手を紙面、公式サイト「スポニチアネックス」、YouTube「スポニチドラフトチャンネル」において取り上げる企画「スポニチ潜入」第2回は、1メートル86、83キロの恵まれた体格を誇る本格派右腕、滝川二(兵庫)・坂井陽翔投手(18)。驚異の握力70キロから繰り出す力強い直球と切れ味鋭い変化球を持ち味に甲子園出場、ドラフト1位指名、そしてメジャー挑戦を目標に掲げる今秋ドラフト上位候補だ。

 長い手足を巧みに使い、無駄がない。1メートル86、83キロの恵まれた体格を持て余すことなくフル活用。坂井はメリハリの利いたフォームからリリースポイントにのみ力を入れ、切れ味鋭いボールを捕手のミットに突き刺す。

 「角度があって、伸びのあるストレートというのが、一番の武器と思っています」

 最大の武器は2年秋の兵庫県大会1回戦・関西学院戦で149キロを計測した直球。オフにはボールの握り方から見直し、親指の関節に引っかけることを意識することで投球回転数アップにつなげた。「150キロは目標ですけど…140キロ台後半でも150キロに見える真っすぐを投げたい」。球質向上に重点を置き、磨きを掛けた。

 変化球も多彩。最も自信があるカットボールを筆頭にフォーク、スライダー、カーブ、チェンジアップなどを操る。指先の感覚にすぐれ、精度を問わないなら「いくらでも(球種は)投げられます」と事もなげに言う。

 中学時代は外野兼投手。投手としては「3~4番手でした」。高校入学時の体重72キロ、最速129キロから体重は10キロ以上増え、直球の最速も20キロ以上アップした。加えて「フォークは握力を使う」と入学時は40キロ台だった握力も右手70キロ、左手68キロまで鍛え上げた。1年秋に計測したスイングスピード140キロが物語るように、“出力”も申し分ない。

 1年時から理想のフォームを追求。長身投手の“教科書”としてダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)らを参考にし、複数パターンのフォームを自分なりに構築。その上で、それぞれの長所を集めたフォームを2年夏につくり上げた。その成果の一つが、同秋にマークした最速149キロだった。

 「俺がおまえの体を持っていたら、絶対にメジャーリーガーになる」。中学時代に所属した播磨ボーイズ卒団式で指導者から掛けられた言葉が、心に火をつけた。甲子園出場、プロ入り、そしてメジャーリーガーへ――壮大な夢を胸に、坂井は飛躍を期す。
(惟任 貴信)

 ◇坂井 陽翔(さかい・はると)2005年(平17)4月5日生まれ、兵庫県加古川市出身の18歳。氷丘南小2年から野球を始め、氷丘中では播磨ボーイズで外野手兼投手。滝川二(兵庫)入学後に本格的に投手転向。1年夏から背番号20でベンチ入りし、同秋からエース。最速149キロ。50メートル走6秒3、遠投110メートル。1メートル86、83キロ。右投げ右打ち。

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