慶大・村上真一朗が異例起用で逆転弾 城北出身でベンチ入り唯一の文学部「努力に勝る天才なし」

[ 2023年4月9日 16:14 ]

東京六大学野球春季リーグ戦第1週第2日   慶大3―2法大 ( 2023年4月9日    神宮 )

<法大・慶大>9回、2ランを放ち笑顔で生還する慶大・村上(撮影・大城 有生希)
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 慶大は0―2で迎えた9回に代打・村上真一朗外野手(4年)のリーグ戦初安打となる2ランなどで一挙3点を奪って逆転勝利。対戦成績を1勝1敗とした。あす10日の第3戦で法大と勝ち点獲得を争う。

 異例采配にも準備万端だった。2点を追う9回に1点を返し、なお1死二塁。水鳥が初球にセーフティーバントを狙うもファウル。ここで堀井哲也監督が「代打、村上」と動いた。初めてメンバー入りした4年生は「こういう場面でも(起用が)あるかなと考えながら待っていました」と右打席に。初球、甘く入った136キロを左中間席に運んで逆転2ラン。フィールドに跳ね返り外野の芝を転がる白球。「入ったか分からなかったのでドキドキした」と走り続けた。

 東京の進学校・城北で高校通算18本塁打を放った右の長距離砲。「大学では最後に日本一を目指せるチームでやりたい」と推薦入試で慶大に進学。21年のリーグ戦で春、秋連覇を達成した名門のベンチ入りは困難だったが、ひたすらにバットを振り続けた。誰よりも練習する姿、一球にかける強い気持ちを評価されて今リーグ戦で初の背番号をゲット。前日のデビュー戦は途中出場で2打数無安打も、初安打でチームを今季初勝利に導いた。

 ベンチ入りした25人で唯一の文学部。好きな言葉は「努力に勝る天才なし」だ。人一倍の努力で体現した男の活躍に堀井監督は「何とかつないでくれと思ったんですけどホームラン…凄いな。200点のバッティングだと思います」と目を潤ませた。

 「もう野球は終わりで就職しようと思っています」と大好きな野球とは今年でお別れ。法大と1勝1敗に持ち込み「ここからですね。明日も全員野球で勝っていきたいと思います」ときょう10日の第3戦を見据えた。慶大に現れた代打の「村神様」は一振りに思いを乗せる。(柳内 遼平)

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