歓声とWBCに沸いたセンバツ 高野連会長が全国球児へ「上には上が…あのような一流の選手を目指して」

[ 2023年4月1日 15:40 ]

第95回選抜高校野球大会決勝   山梨学院7-3報徳学園 ( 2023年4月1日    甲子園 )

<山梨学院・報徳>応援団を背に行進する山梨学院ナイン(撮影・平嶋 理子)
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 第95回選抜高校野球大会は1日、決勝が行われ2年連続6回目出場の山梨学院が報徳学園を逆転で破り、春夏通じて県勢初の甲子園制覇という新たな歴史の一ページを記し大会の幕を閉じた。

 日本高野連・宝馨(かおる)会長は閉幕のあいさつで「大会中にWBC、侍ジャパン日本代表チームは世界一になりました。素晴らしいチーム、素晴らしい選手たちであります。皆さんも感じられたと思います。上には上がある。決勝戦に勝ち進んだ選手はもとより全国の高校野球の選手たちがあのような一流の選手を目指して頑張っていただきたいと思います」と第5回ワールド・ベースボール・クラシックで日本中を元気づけ、感動をもたらした世界一の侍ジャパンを引き合いに球児たちにメッセージ。

 そして歓声と準優勝・報徳学園の「アゲアゲホイホイ!」など恒例の応援も戻った大会を振り返り「本大会はコロナ禍前にほとんど近い形で高校野球の大会を開催できました。これを支えてくれましたすべての皆さまにお礼申し上げます。ありがとうございました」と晴天の甲子園のスタンドを見渡し、球児、学校、スタッフ、応援に駆け付けたすべての人に感謝の思いを口にした。

 今大会中の22日(日本時間)にはWBC決勝で日本が米国に3―2で勝利し14年ぶり3度目の世界一を決めた瞬間は、甲子園でも祝福の拍手が送られ、第2試合の常葉大菊川―専大松戸の2回終了時にはバックスクリーンに「WBC 日本代表 世界一 おめでとう!」というメッセージが表示され球場内に拍手や指笛響いた。前日の21日には第2試合の長崎日大―龍谷大平安戦の0―0の2回、龍谷大平安の攻撃で突如、甲子園が今大会一番の大歓声に包まれた。侍ジャパンの試合結果をスマートフォンなどで確認した観客が歓声と拍手。全くプレーとは関係ない場面での異例の光景に球審も困惑。タイムをかけようとしてやめる動作をするなど困惑する場面もあった。

 山梨県勢として春夏通じて初の決勝進出を果たした山梨学院は、5回の猛攻で7点を奪い逆転し悲願の初優勝を決めた。これまで同県勢は春4度(甲府商1、市川1、東海大甲府2)夏3度(東海大甲府3)と計7度、準決勝進出もいずれも敗退。8度目の挑戦で初めて壁を破った。これで、甲子園決勝未経験の県は山形、富山、島根の3県となった。また、開幕戦勝利から決勝進出は16年の智弁学園以来7年ぶり、5勝しての決勝進出はセンバツ史上初だった。

 また、春夏通じて甲子園未制覇の都道府県は、今回の山梨学院の優勝で青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、富山県、石川県、滋賀県、鳥取県、島根県、宮崎県の残り12県。昨年夏の仙台育英(宮城)に続き甲子園2大会連続で未制覇県からの優勝となった。

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