広島・上本「神様」新井新監督に「どう接していいか分からない」 バット投げの共通点も

[ 2022年10月10日 05:00 ]

広島・上本(撮影・長久保豊)

 広島の新監督に決まった新井貴浩氏(45=本紙評論家)とつながる選手たちが奮闘を誓う声を続々と発している。10年目にキャリアハイを更新した上本崇司内野手(32)は9日、若手のホープに向けて「チンタラしていたら(ポジションを)奪っちゃる」と宣言。現役時代の新井氏さながらのバット投げ、さらには守備走塁で勝利に貢献する意気込みを示した。

 きょう10日からの秋季練習開始を前に、上本はマツダスタジアムに姿を見せた。「初動負荷やネットスローとか。明日から動けるように」汗を流すこと約120分。帰途に就く際、報道陣に「新井さんのことですか?」と自ら切り出し、思いや印象を口にした。

 「神様です。優しいです。盛り上がると思います。ただ、不思議ですよね。新井さんが監督。どう接していいか分からないので」

 新井先輩の形態模写は、上本の持ちネタの一つだった。背番号25のユニホームを借りてファンに披露し、大爆笑を誘ったことも。来季からは監督と選手に変わる。「線は当然引かないといけない」。優しい先輩が立場を指揮官に変えた先の姿も想像してみせた。

 「要所要所では絶対に厳しい。練習も厳しくなると思います」

 自身は10年目に大飛躍を遂げた。出場94試合、打率・307、プロ1号を含む2本塁打、18打点はいずれもキャリアハイ。新井氏も「(上本)崇司は格段にバッティングが良くなった」と認める通り、打席数300は前年の約4・5倍、安打数80本も同5・5倍に増えた。

 「僕は2軍暮らしが長かった。ファームでもがく選手に“崇司さんでもこれぐらい打てるんだ”と、少しは証明できたかな…と」

 守備固めや代走が主で、打席にすら立てない現実にイラつく自分に「それじゃダメだ」と一念発起。カブスに移籍した鈴木にタイミングの取り方を、会沢にはトップの位置を教わり「(手応えが)ガラッと変わった」。新監督は選手を色眼鏡で見ない。もっと上を…の期待すら膨らむ。

 「新井さんの力にはなりたい。でも、レギュラーというより穴埋めで頑張ります。その代わり、若手がチンタラしていたら奪っちゃうよ…と。実際そういう選手もいた。内心は奪っちゃろうや…と思ってやっていたので」

 上本らしい奥ゆかしさ。内面は、しかし、熱い。9月10日のプロ1号しかり、手応えよく快音を発した際のバット投げは、現役時代の新井氏さながら。その回数を増やせば増やすほど新監督は喜ぶ。32歳はやる気だ。(江尾 卓也)

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