聖光学院 猛攻10得点で初めて8強の壁越えた 2年生4番・三好が4打点「歴史を変えられてうれしい」

[ 2022年8月19日 04:04 ]

第104回全国高校野球選手権第12日・準々決勝   聖光学院10―5九州学院 ( 2022年8月18日    甲子園 )

<聖光学院・九州学院>1回1死二、三塁、逆転適時二塁打を放った聖光学院・三好(撮影・岸 良祐)
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 ついに、やっと乗り越えた。高かったベスト8の壁。校歌を歌い終えた聖光学院の選手たちが、両手を突き上げ一塁側アルプス席へ向かう。降り注ぐ万雷の拍手。カクテル光線に照らされ、誰の顔も光り輝いていた。

 「今までで一番乗り越えたかった壁。越えられてうれしい」。斎藤智也監督は感慨深げだ。無理もない。過去4度の準々決勝は全て敗れた。福島県勢としても準優勝した71年の磐城以来、実に51年ぶりのベスト4だ。

 分厚い扉をこじ開けたのは、2年生4番の三好元気だった。1点を先制された初回1死二、三塁。迷わず振り抜いた打球が、左翼線を破った。逆転の2点二塁打。これが合図だった。意表を突かれた左腕・桑原颯汰(3年)の先発にも、打線がつながる。この回一挙5点。「自分が打てたのは前の打者がつないでくれたから」。そんな謙虚な4番打者は、4回も再び2点二塁打を放って4打点。打線を力強くけん引した。

 「歴史を変えられてうれしい」。三好の言葉に浮かぶのは、チームが掲げるテーマ「無類」だ。冬場にミーティングで決めたもので、赤堀颯(はやと)主将(3年)は「過去に例がない、今までにない聖光学院になったとき、初めて日本一になれると思った」。まさに「無類」の打線が13安打10得点なら、エース・佐山未来(3年)も5失点ながら魂の132球で完投だ。

 準決勝の相手は仙台育英(宮城)。みちのく対決へ斎藤監督は言った。「歴史としてうれしいが、選手は4強で“やった!”ということはないと思う」。仙台育英も出場した春の東北大会は優勝。東北王者として、あとは大旗を持って白河の関を越えるだけだ。(秋村 誠人)

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2022年8月19日のニュース