ピンチこそチャンス コロナ禍で“ヤク動”したヤングスワローズ

[ 2022年7月22日 07:15 ]

ヤクルト・並木
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 ピンチはチャンスだ。新型コロナウイルスの集団感染にあったヤクルト。青木、山田、塩見ら多くの主力が離脱したのはチームにとって緊急事態だが、ファームで出場機会をうかがっていた選手にとっては、アピールする絶好の機会になった。

 存在感を見せた一人が2年目の並木だ。俊足が持ち味の23歳は13日の中日戦に「1番・中堅」でプロ初先発。「爪痕を少しでも残せるよう、とにかく思い切ってプレーしていきたいです」と鼻息荒く臨んで、3回にプロ初の中越え三塁打をマークした。

 足は折り紙付き。独協大3年時、19年12月の大学日本代表合宿で50メートル走で手動計測で5秒32をマーク。「サニブラウンに勝った男」こと、中大・五十幡(現日本ハム)の5秒42を上回って話題になった。快足を武器に入団した1年目の昨季は主に代走で27試合に出場したが、6月以降は出番がなかった。

 課題は明白。打撃だ。「自分はホームランバッターではない」と出塁率を意識。「力のあるストレートに力負けしないようにバットを一握り短く持っている」と取り組み、イースタン・リーグで2位の打率・293をマーク。出塁率はトップの・372だ。売りの足でも、リーグトップ18の盗塁を決めている。

 ファームでの成果を1軍でも発揮し、14日の中日戦で今季初盗塁の二盗を決め、途中出場した20日の巨人戦は再び三塁打を放った。他にもいる。3年目の武岡も19日の巨人戦でプロ初打点、初三塁打、初猛打勝と初ものづくしの活躍を見せた。

 20日にコロナ感染から復帰した高津監督は「ファームの映像とかはよく見ますけど、1軍の舞台でプレーしている姿を見られたのはすごく僕にとってはプラスになった」と目を細める。療養期間中、テレビ越しに若手の活躍を見届けた。長岡や内山壮だけじゃない。まだまだ楽しみなヤングスワローズがいる。(記者コラム・青森 正宣)

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2022年7月22日のニュース