オリ・ドラ1椋木 球団新人右腕33年ぶりプロ初登板初勝利 両親の前で見せた快投6回零封

[ 2022年7月8日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス6-2西武 ( 2022年7月7日    京セラD )

<オ・西>プロ初勝利を挙げウイニングボールを手に笑顔でポーズをとる椋木(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 中嶋監督とハイタッチを交わしたオリックスのドラフト1位・椋木は、マスクの下で笑顔を浮かべた。6回無失点の快投デビュー。右のおしりのポケットに、ウイニングボールをグッとねじこんだ。

 「両親が見に来ているので2人に渡せたら。“育ててくれて、ありがとう”と伝えたい。今日は(ケガで)出遅れた分、やってやるぞ!という気持ちで臨みました」

 春季キャンプ中に左脇腹を痛め出遅れた鬱憤(うっぷん)を晴らした。直球は自己最速にあと1キロと迫る153キロを計測。空振りを奪えるスライダー、フォークを織り交ぜて、山川を3打席連続三振に仕留めるなど散発2安打、7奪三振。球団新人の初登板勝利は18年田嶋以来で、右投手に限れば、89年の酒井勉以来、33年ぶりだ。

 「僕がグラウンドに立つことは、ないかもしれない。でも、野球は辞めない」。本山小1年で捕手として始まった野球人生。レギュラーどころかベンチ入りも遠かった。高川学園高1年時に当時監督だった藤村竜二氏の勧めで投手転向して才能が開花。公式戦初出場は初先発した高2春の山口大会1回戦で、白球を握ってから10年も費やした。地道な努力を継続できるタフさが武器だった。

 天国の祖母にささげる初勝利でもあった。入寮時にお守り代わりの指輪を付けたネックレスを持参。昨年8月に88歳で他界した祖母・木村勝子さんの形見だ。「ずっと“プロに行ってね”と言われていました」。そんな思いもこもった94球だった。プロで掲げる目標は「100勝&100セーブ」。その第一歩を踏み出した。 (湯澤 涼)

 ◇椋木 蓮(むくのき・れん)2000年(平12)1月22日生まれ、山口県出身の22歳。高川学園では2年夏に甲子園出場も登板機会なし。東北福祉大では1年春からベンチ入りし、4年時の大学選手権で最速154キロを計測。仙台六大学リーグ通算15勝1敗、防御率0・69。21年ドラフト1位でオリックス入り。1メートル79、83キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2022年7月8日のニュース