球界のため…「もう一つへの会議」への願い

[ 2020年3月5日 09:00 ]

事務折衝に出席した日本プロ野球選手会の炭谷銀仁朗会長(右)と森忠仁事務局長
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 前田健太投手(31)のドジャースからツインズへの移籍が正式発表された5日後。2月15日に成立したトレードが、ちょっとした話題を呼んだ。救援右腕バーク・スミス投手(29)が、金銭との交換でジャイアンツからアスレチックスへ移籍した。失礼ながら、選手に焦点が当たったのではない。両球団間でのトレードが1990年12月以来、ほぼ30年ぶりだった。互いの本拠地が約26キロしか離れていない「お隣さん」。2012年にアスレチックスを取材していた記者としても、この「レア度」は驚きだった。

 一方、日本球界では、かつて同じ東京ドームを本拠にしていた巨人と日本ハムが、頻繁にトレードを繰り広げている。今月4日の両軍の対戦では、昨年6月末に巨人から日本ハムに移籍した宇佐見真吾捕手(26)が15年のドラフト同期・桜井から適時三塁打を放つなど2安打3打点と気を吐いた。16年オフに巨人から日本ハムへ移籍した大田は今や、チームの主軸。交換相手の1人として巨人入りした石川も、パンチ力を武器に存在感を発揮している。

 新型コロナウイルスの拡大により、開幕の可否を含め慎重な話し合いが続く日本球界。今月9日には日本野球機構(NPB)と日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の間で第2回の「新型コロナウイルス対策連絡会議」が行われる。同時に、かねて予定されているプロ野球の実行委員会で、出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させるための「ブレークスルードラフト(現役ドラフト)」について話し合われる日でもある。野球が通常通りに観戦できるように戻ることを願うと同時に、今以上に移籍が肯定的に受け止められる球界になることを願う。(記者コラム・大林 幹雄)

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2020年3月5日のニュース