【槙原寛己 視点】高橋礼、スーパーRも期待!パワーある北中米に有効な芯を外す投球

[ 2019年11月7日 08:30 ]

第2回WBSCプレミア12・1次ラウンドB組第2戦   日本4―0プエルトリコ ( 2019年11月6日    台湾・桃園 )

6回1安打無失点の高橋礼(撮影・岡田 丈靖)
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 高橋礼の投球全てが素晴らしい球だったわけではない。甘い球もあった。それでも、ここまで抑えられるのは打者の打ち気を読む能力が高いからだ。

 初球はコースを狙うのではなく、少々甘い球を見せておいて、打者が打ちにきたときにシンカーなどでボールを落とす。それがバットの先や下に当たるから打球がゴロになりやすい。浮き上がる直球を軸に右打者へのシンカー、左打者へのスライダーは切れがあった。甘い球はあっても、大事なところで間違えがなかった。

 今年のレギュラーシーズンで、高橋礼のゴロ率は57%と高い。元々ゴロを打たせる投手ではあるが、CSや日本シリーズで経験を積んで打者の打ち気の見極めに磨きがかかったように思う。もちろん捕手がソフトバンクでもバッテリーを組む甲斐だからいいところを全て出せたのだろう。

 東京でのスーパーラウンドでも頼れる、大事な試合で先発してほしい投手になった。三振もいいが、バットの芯を外してゴロを量産する高橋礼の投球は、特にパワーのある北中米の打者に有効だろう。東京五輪に向けても楽しみな柱になれる投手が出てきた。(スポニチ本紙評論家)

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2019年11月7日のニュース