早実・清宮 72号!シフトも風邪も吹き飛ばした

[ 2016年10月13日 05:30 ]

秋季高校野球東京都大会1回戦 ( 2016年10月12日    八王子市民 )

<日本学園・早実>4回1死二、三塁、清宮が右越えに通算72号となる右越え3ランを放つ
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 来春センバツ出場校の選考資料となる秋季高校野球東京都大会は12日、1回戦10試合が行われた。早実は日本学園に10―1で7回コールド勝ち。清宮幸太郎内野手(2年)は風邪の症状、さらには相手の「清宮シフト」をものともせず、右越えへ主将就任後の公式戦2発目となる高校通算72号3ランを放った。

 清宮の声はかすれていた。「ちょっと風邪気味ッス」。そんな中、4回の第3打席でピンポン球のように右翼席へ3ランを運んだ。DeNA・筒香の本塁打量産ぶりに「格好いいです」と憧れる17歳。「感触は完璧」という72号で、筒香ばりの怖さを見せつけた。

 「相手が凄く研究してきて簡単な球を放ってこない」と和泉実監督。日本学園の投手陣は友達の友達までつてをたどって情報収集していた。「(清宮に)ストライクは投げない」と決め、初回の初打席は死球で4打席目は四球。さらには左翼手が中堅手のほぼ定位置、中堅手が右中間にいる極端なシフトを敷いた。

 それでも清宮は「勝負どころで決めきることを意識してきた」と対策の上をいった。第2打席の右飛ももう少しで本塁打という飛距離。ネット裏では、来秋ドラフト候補として早くもソフトバンクの山本省吾スカウトが視察し「打つ力は分かっている。あとはどれだけ守れるか」とシートノックから熱視線を送った。

 2季連続で遠ざかる甲子園へ導くのが主将の責務。都大会を制すれば斎藤(現日本ハム)を擁した05年以来で、13年以来のセンバツ出場が確実となる。「甲子園に連れていきたい。みんなで切符を勝ち取りたい」。言葉に力がこもった。 (松井 いつき)

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2016年10月13日のニュース