パラ・アスリートの軌跡 ~障がい者スポーツ~

【二宮清純×注目パラアスリート(3)】シッティングバレー 田沢隼「アスリート支援」に感謝

[ 2018年10月11日 05:30 ]

リベロとして活躍する田沢
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 パラスポーツに詳しいスポーツライター・二宮清純氏(58)が、東京パラへの出場が期待されるアスリート3人と熱く語り合った。リクルート所属でリクルートオフィスサポート(東京都中央区)に勤務する車いすテニスの菅野浩二(37)、車いすバスケットボールの小田島理恵(29)、シッティングバレーボールの田沢隼(25)を迎えての座談会の第3弾。

 二宮 今回は競技を続ける上での所属企業の支援体制や、仕事と競技の両立について皆さんにお聞きしたいと思います。

 田沢 私は半年前に弊社に転職しアスリートの支援制度の利用を認めてもらいました。代表の強化合宿が毎月2回で大会も多く、競技に重点を置きたいと思っていたので、こうした挑戦を支えてもらい本当に助かっています。その分、仕事も競技も真しに取り組もうと思っています。

 小田島 私は以前、競技活動の時間を確保するため、パートで働いていました。ただのアスリートというだけでなく、一社会人としても認められたいという思いがありました。今は正社員として働きながら競技に専念できて満足しています。

 菅野 支援してもらっているおかげで仕事と競技のバランスがとれています。最近はあまり練習しすぎると年齢的に回復が遅いというのもあるのですが、今は2日練習して、2日休んで仕事をするサイクルでうまくやれています。

 二宮 業務はどのようなことをされていらっしゃるんでしょうか。

 田沢 リクルートの情報サイトに掲載する企業の審査をしています。

 小田島 私は同じ部署で、実際に掲載される求人情報の校閲を担当しています。

 菅野 社内報の編集です。出場した大会など、自分の活動を記事にして発信しています。

 二宮 なるほど。社会人として仕事をするということは、競技をする上でも励みになっているわけですね。

 小田島 他の会社の選手は月1回の出社という話も聞くのですが、それでは他の社員との触れ合いが少ない。私は週2・5日出勤していて、同じ部署や他の部署の人と交流があり、応援してもらえている実感があるので、ものすごく励みになっています。

 二宮 そういった側面もあるのですね。さて、菅野さんは会社に支援を自らお願いされたこともあるとお聞きしました。

 菅野 リクルートオフィスサポートの支援にも上限があり海外で活躍してランキングをあげるには難しいものがありました。そこで昨年、アスリートとしての自分をアピールする企画書を作成し、グループの別会社に海外遠征の支援をお願いに行きました。また、同じようなタイミングでリクルートが20年東京大会のオフィシャルパートナーとなったことで、最終的にはリクルートのスポンサードを受けることになりました。

 二宮 素晴らしい行動力ですね。次回は競技の魅力や、東京パラでの目標をうかがいます。(次回は18日掲載)

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