ナッツの食べ過ぎ、なぜ危険?デメリットと摂取量の目安、注意点[薬剤師監修]

[ 2024年5月28日 09:00 ]

アーモンドやくるみなどのナッツ類は栄養価が高く、ダイエットの間食やおやつに選ぶ方も多い食材です。トレイルランニングや登山の補給食としても活躍しています。

ただ、ナッツは小さいため食べ過ぎることも多いですよね。ナッツの過剰摂取は、便秘や高血圧、胃痛などの原因になることがあります。

この記事では、あらためてナッツとはどんな食べ物なのか、ナッツに含まれる栄養素や、ナッツを食べるメリット、ナッツを食べる量の目安や、食べるときのポイントを紹介します。

解説は、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニューを開発してきた、薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーターの山形ゆかりさんです。

ナッツとはどんな食べ物? ナッツの種類

ナッツとは

ナッツとは、植物の種子が堅い殻に包まれたものの総称です。

ナッツの種類

アーモンド、ヘーゼルナッツ、カシューナッツは「世界三大ナッツ」と呼ばれています。日本では、これらの他にピスタチオやくるみもよく食べられます。

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ナッツにはどんな栄養素が含まれている? 栄養素と食べるメリット

ナッツにはさまざまな栄養素が含まれています。

からだを作る元となるタンパク質や、便通改善に効果的な食物繊維だけではなく、骨を作る元となるカルシウム、貧血を予防する鉄などのミネラル、老化を防ぐビタミンE、体内の代謝を助けるビタミンB群が含まれます。

ナッツは脂質が高いが“良質な油”である

ナッツは脂質が高い食材として知られていますが、大部分は「不飽和脂肪酸」です。

この不飽和脂肪酸、脂肪と名前はついていますが、植物や魚の脂に多く含まれるいわゆる「良質な油」です。

不飽和脂肪酸は血液中のコレステロールや中性脂肪を減少させ、血液の循環をよくする働きを持つ栄養素です。

脳の働きを活性化させる効果があり、脳卒中や認知症の予防にもつながるといわれています。

ナッツを食べるメリットは「腹持ちの良さ」や「栄養補給」

ナッツは食物繊維が豊富で腹持ちがいい食材です。食物繊維が豊富な食材は消化吸収に時間がかかり、胃や腸を刺激するため満腹感を得やすいといわれています。

ダイエット中の間食として重宝するでしょう。また、食事の前に食べることで食べ過ぎを防ぐこともできます。

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栄養素も豊富なため、食事の栄養バランスが偏っているときにナッツを食べると、不足しがちな栄養素を補えます。

ナッツの食べ過ぎで起こる体の不調

メリットが多いナッツですが、食べ過ぎると以下の不調があらわれることがあります。不調の原因とあわせて解説します。

腎機能と肝機能の悪化による、尿毒症や全身の倦怠感

タンパク質は腎臓や肝臓で処理されます。そのため、ナッツを食べ過ぎて体内のタンパク質が過剰になると、腎臓や肝臓に負担がかかり機能が悪化する恐れがあります。

腎機能の低下や尿毒症、肝機能の低下による全身の倦怠感といった症状が出ることもあるでしょう。

皮脂の分泌促進による肌荒れ

適切な量のタンパク質は、健康な肌を維持するために必要です。しかし、タンパク質を過剰に摂取すると皮脂の分泌が促進され、ニキビの元となる毛穴詰まりを引き起こすことがあります。

カロリーの過剰摂取による体重の増加

ナッツは栄養豊富な食材ですが、カロリーが高く食べ過ぎると肥満の原因となることがあります。ナッツのカロリーは、種類によって異なりますが、100gあたり600kcal前後のものが多いため注意しましょう。

ナッツに限らず、どの食材も食べ過ぎは禁物です。ダイエット中の方はとくに、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないように注意してくださいね。

食物繊維の摂りすぎによる下痢や便秘

食物繊維には、腸内環境を整えて便通を改善させる働きがあります。しかし、過剰に摂取すると下痢や便秘の原因となるので注意しましょう。

ナッツに多く含まれる不溶性食物繊維には、便のかさを増やして腸の運動を促進させる効果があります。しかし、不溶性食物繊維は水溶性食物繊維とバランスよく摂取しなければなりません。

不溶性食物繊維だけを過剰に摂ると便の水分が吸収されて硬くなり、便秘を引き起こすことがあります。

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脂質の多さによる消化不良、下痢

ナッツに豊富に含まれている脂質は、食べ過ぎることで消化不良の原因となる恐れがあります。脂質の摂りすぎで下痢になることもあるので気をつけましょう。

塩分過多が原因の高血圧症

ナッツにはカリウムというミネラルが多く含まれます。カリウムは体内の余分な水分やナトリウムの排出を促す働きをするため、高血圧予防にいいとされる栄養素です。

ただし、ナッツにはカリウムだけではなくナトリウムも豊富に含まれています。そのため、食べるナッツの種類によっては、食べ過ぎによって高血圧の原因になることもあるでしょう。塩味が付いているナッツが好きな方は、ナトリウムの摂取量が増えやすいので気をつけてください。

ミネラルの過剰摂取が原因の高カルシウム血症

ミネラルを過剰に摂取することで腎臓の働きが低下し、高カルシウム血症を引き起こす恐れがあります。腎臓は体内の余計なミネラルを尿へ排出し、必要な量のミネラルをからだに取り込む働きをしています。そのため、過剰なミネラルの摂取は腎臓への負担となるのです。

また、高カルシウム血症だけではなく、高リン血症や低カルシウム血症の原因にもなるので注意してください。

ナッツはどれくらい食べていい?1日何個まで?

前述の通り、ナッツに含まれるタンパク質や食物繊維が不調の原因となることがあります。それぞれの摂取推奨量を把握して、適量を摂取するようにしましょう。

  • タンパク質:30~50代の男性で1日65g、30~50代の女性で1日50g
  • 食物繊維:30~50代の男性で1日21g、30~50代の女性で1日18g

代表的なナッツに含まれる100gあたりのタンパク質・食物繊維は以下の通りです。

  • アーモンド:タンパク質18.6g、食物繊維12g
  • カシューナッツ:タンパク質19.8g、食物繊維6.7g
  • ヘーゼルナッツ:タンパク質13g、食物繊維10g
  • ピスタチオ:タンパク質17g、食物繊維10g
  • くるみ:タンパク質4.6g、食物繊維7g

小袋なら1日1袋が目安

コンビニで売られている小袋は10g前後ですので、小袋を1日1袋食べる程度にするのがおすすめです。

なお、タンパク質や食物繊維はナッツからだけではなく、肉や野菜といった食材からも摂ることができます。ナッツだけを食べ過ぎないように注意してくださいね。

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ナッツを食べるときは「量」と「種類」を意識しよう

ナッツを摂取するときは、以下の3つのポイントを意識してください。

適量を食べる

前述の通り、食べ過ぎに注意しましょう。栄養価が高いナッツだからこそ、少し食べ過ぎただけで過剰な栄養を摂取してしまう恐れがあります。他の食材から摂取する栄養素を考慮し、摂りすぎないようにしてくださいね。

間食のカロリーは200kcal以内に収めることが理想的です。ナッツを食べるときも、カロリーを意識して食べましょう。200kcalはアーモンドなら20粒程度、カシューナッツなら13粒程度です。

ローストタイプを選ぶ

ナッツは油で揚げたタイプと、油を使用していないローストタイプがあります。油で揚げたナッツはカロリーが高くなっているので、間食で食べる場合はローストタイプにしましょう。

生のナッツは水に浸さないといけないため、少し手間がかかります。このような観点からも、ローストタイプの方がおすすめですよ。

無塩タイプを選ぶ

間食で食べる際には無塩タイプのナッツがおすすめです。塩味が付いているナッツは、塩分が高く高血圧のリスクがあるため、選ばないようにしましょう。キャラメルやチーズ、バター風味のような味付けも、カロリーが高くなるので要注意。

味付けのないナッツを食べるようにしてくださいね。

ナッツの食べ過ぎに注意しよう

ナッツは栄養価も高く腹持ちもよいため、からだ作りやダイエット中の間食、美容におすすめの食材です。しかし、食べ過ぎるとからだに不調があらわれたり、肥満や肌荒れの原因になったりすることも。

ナッツを食べるときは、食べ過ぎに注意して適量を食べてくださいね。

監修・執筆者プロフィール

あんしん漢方薬剤師 山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。

牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニューも開発。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘル-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開中。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。

参考
日本人の食事摂取基準(2020年版)

<Edit:編集部>

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