109年ぶり 伯桜鵬 見えた新入幕V 令和の怪物 史上最速三賞も確実

[ 2023年7月22日 04:45 ]

大相撲名古屋場所13日目 ( 2023年7月21日    ドルフィンズアリーナ )

錦木を破り、気迫のこもった表情を見せる伯桜鵬(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 19歳11カ月、新入幕の伯桜鵬が2敗の錦木を破って10勝目を挙げた。3敗を守って優勝戦線にとどまり、優勝制度確立の1909年夏場所以降、14年夏場所の両国以来109年ぶりの新入幕優勝が視野に入ってきた。北勝富士は2敗を守って今場所初めて単独首位に浮上。14日目、1差で追う伯桜鵬に勝って、3敗の豊昇龍と錦木が敗れれば初優勝が決まる。

 心技体全ての充実ぶりが19歳とは思えない。3敗の伯桜鵬は、1差で首位に立つ錦木との大一番にもものおじしなかった。それどころか「緊張はしない。自分がしっかり準備してきたものを土俵の上で、大舞台でやるだけ」と言い切った。かつて「恐るべき19歳」と呼ばれた師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)と、その姿が重なった。

 互いに得意の左四つに組み合うと土俵際まで攻め込まれたが、右上手を引いて残して土俵中央へ。動きが止まると、機を見て左から鮮やかな内掛けで勝負をつけた。「相手に体重をかけながら、呼吸が乱れるのを待って足を狙った」。冷静な洞察力と足技の細かな技術が光った。

 2桁勝利に到達し、史上最速となる三賞は確実。記録ずくめの初優勝も見えてきた。昭和以降1位タイの所要3場所での新入幕で、優勝はもちろん最速。初土俵から15場所目で優勝した昭和以降1位の輪島の記録を大きく更新する。新入幕優勝は1914年夏場所の両国以来109年ぶり。10代では、史上最年少19歳5カ月だった92年初場所の貴花田以来、31年ぶりとなる。

 関脇以上を総なめにして今場所の主役だった錦木から堂々の白星。14日目は、単独首位に立つ北勝富士に挑む。2日連続で首位を引きずり降ろせば、歴史的快挙が大きく近づく。場所前に「師匠と同じ12勝」と目標を掲げていた“令和の怪物”は、それを超える大記録に挑んでいく。 

続きを表示

スポーツの2023年7月22日のニュース