大学野球から異例の転身となった鳥山は「初陣」飾れず 大相撲九州場所前相撲

[ 2022年11月15日 10:48 ]

大相撲九州場所3日目 ( 2022年11月15日    福岡国際センター )

<大相撲九州場所>琴佐藤と前相撲を取る鳥山(右)(撮影・中村 達也)
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 名古屋商大野球部から角界入りした鳥山(19=放駒部屋)が前相撲で大相撲力士として初めて本場所の土俵に上がったが、琴佐藤(佐渡ケ嶽部屋)に寄り切りで敗れ、初陣を飾ることができなかった。

 相手は埼玉栄高→日大(中退)の経歴を持つバリバリの相撲経験者。鳥山は立ち合いで右四つに組んだものの、相手の出足にずるずる後退し土俵を割った。初陣を迎えるにあたって師匠の放駒親方(元関脇・玉乃島)らから「稽古でやってきたことをしっかり出せ」と送り出されたが「いざ土俵にたつと緊張はありました」。169キロの相手の圧力を体感し「体重差がすごいあったと思うし、相手の重みは感じました。体的にも技術的にもまだまだと実感したので、もっと頑張りたい」と振り返った。

 1メートル90、105キロ。福井県出身としては3人目の現役力士となった。長身スラッガーとして羽水高では県大会4強に貢献。愛知大学野球リーグの名古屋商大でも活躍したが、中退し大相撲の道に進んだ。当初は「本当に辞めるのか」との反応だった大学の仲間からも「今はメールや電話をもらって背中を押されています」という。

 稽古場では序二段の若一輝、松蘭らとの申し合いで四つ相撲を磨いている。雑用など相撲界独特の慌ただしい生活に追われる毎日だが新たな人生の第一歩を記した19歳の目は光っていた。「自分を迎え入れてくれた師匠に感謝の気持ちがあるので、1場所でも早く関取に上がりたい」とさらなる精進を誓った。

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