内村、こだわり6種目でラスト演技「美しさ存分に見せたい」

[ 2022年3月12日 05:30 ]

鉄棒の感触を確かめる内村航平(撮影・白鳥 佳樹)
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 体操男子の個人総合で五輪連覇を達成するなどキングとして君臨し、1月に現役引退を表明した内村航平(33=ジョイカル)がきょう12日、自身の名を冠した演技会「KOHEI UCHIMURA THE FINAL」に臨む。11日は会場の東京体育館で会見し、「美しさというところを存分に見せられたらいい」と静かに闘志を高めた。

 全盛期のような難度ではないが、こだわってきた個人総合と同じ6種目で演技する。「美しさ」とともにテーマに掲げるのは「着地」だ。「できるだけ多く着地を止めることができれば、会場も盛り上がるかなと思う」。大舞台で何度も披露してきた鮮やかな着地を、最後に再現する。

 スコアも順位も存在しない。体操界では前例のない引退演技会には、16年リオデジャネイロ五輪の団体金メダルメンバー、昨夏の東京五輪の代表がそろう。会場には大型ビジョンが設置され、器具と観客の距離が近いなど、大会とは違う盛り上がりは必至。「国内大会でも同じような感じでやっていければ、体操の注目度も上がっていくのかな」と話した。

 体操界の未来に思いをはせる一方で、現役ラスト舞台を控え、冷静に足元を見つめている。「やるべきことはやらないといけないという責任感がある。最後だからとかじゃなく、やらなきゃいけないことをやらなきゃいけないだけ。他の選手が表現できない見せ方をできればいい」。最後まで美しく、キングらしく舞う。

 ≪昨年引退の白井さん 演技へ「非常に緊張」≫リオ五輪団体金メンバーで昨年、引退した白井さんは「非常に緊張している」と話した。日体大コーチとして学生の指導に軸足を置きつつ、内村の引退演技会に向けて調整。「努力が伝われば航平さんや見ている方もうれしい気持ちになると思う」。東京五輪代表の北園は「航平さんに感謝の気持ちを伝えたい。頑張って演技します」と力を込めた。

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