高木菜那も衝撃 日本電産サンキョー廃部 清水宏保ら輩出スピードスケート名門が

[ 2022年3月2日 05:30 ]

高木菜那ら8選手が在籍する日本電産サンキョーだったが…(21年12月撮影)
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 日本電産サンキョーは1日、同社スピードスケート部を今月31日で廃部すると発表した。57年に創部し、60年スコーバレー五輪から17大会連続で五輪代表を送り出した強豪。98年長野五輪男子500メートル金メダルの清水宏保ら5人の五輪メダリストを輩出した。現在は2月の北京五輪女子団体追い抜き銀メダルの高木菜那(29)ら8選手が在籍する。

 同社は人材不足やレベルの低下を理由に挙げ「企業がスピードスケート競技の発展に貢献するという当初の目的についての展望が持てないと判断した」と説明。今村俊明監督は北京五輪後に部の存続議論が持ち上がったことを明かし「1人(高木菜)しか五輪に行けなかったので仕方がない。歴史を築いてきたOBや応援してくださった地域の方々に申し訳ない」と責任を背負った。北京五輪代表の堀川桃香(18=白樺学園高)の入社も内定していた中、急転直下の決定だった。

 かつては複数の実業団がしのぎを削り、競技力向上を支えたが、メダルなしに終わった14年ソチ五輪後に日本スケート連盟が所属の垣根を越えてトップ選手を集めるナショナルチーム(NT)を発足。日本電産サンキョーは当初、対抗するように独自にオランダへチームを送り込むなどの強化策を模索したが、NTの隆盛に押され、近年は高木菜らもNTで活動していた。

 ≪菜那は先月SNSで感謝も≫高木菜那は2月27日に自身のSNSで「高校を卒業してから10年間、私が夢に向かって走り続けてこられたのは会社のご支援、ご声援があったから」と感謝をつづっていた。現在は世界選手権(3~6日、ノルウェー)、W杯最終戦(12~13日、オランダ)に向けて欧州遠征中。日本電産サンキョースケート部の広報担当は「高木菜那選手は今季を集大成と位置付けているが、この先どうするかは帰国後に話し合う」と説明。北京五輪銀メダルの報奨金は会社規定に沿って贈られるという。

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