【玉ノ井親方 視点】御嶽海大関昇進へ大きな白星 千秋楽の照戦はまわしを取られないようにすることが大事

[ 2022年1月22日 20:07 ]

大相撲初場所14日目 ( 2022年1月22日    両国国技館 )

<大相撲初場所14日目>宝富士(左)を送り出す御嶽海(撮影・篠原岳夫)
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 大関獲りを狙う御嶽海が3度目の幕内優勝に王手を懸けた。

 宝富士戦は立ち合いが良かった。鋭く踏み込んでから、右でおっつけながら相手の左差しを封じた。それで流れをつくると、最後は右をねじ込んで送り出した。

 12日目の阿武咲戦の反省が生きた相撲だった。その時は相手を見るような相撲で足が前に出ていかず、引き落としで敗れた。それから自分なりにいろいろと考え、前に出る相撲で負けるのであれば仕方がないと開き直ることができたのだろう。以降の2日間はしっかりと集中して、自分流れで相撲を取り切れている。

 これで直近3場所の勝ち星が32となり、昇進の目安まで1勝に迫った。仮に千秋楽の照ノ富士戦で敗れ、決定戦に進むことになったとしても、通算32勝なら大関昇進の声が上がる可能性は十分にある。そういう意味では大きな白星となった。

 一方の照ノ富士は、阿炎にうまく攻められてしまった。もろ手突きから喉輪で上体を起こされ、右にいなされて態勢を崩した。先場所は14日に初対戦し白星を手にしたものの、深く押し込まれた記憶が頭に隅にあったのだろう。とっさにまわしを取りにいったが、阿炎に下から押し上げられて横を向かされてしまった。

 この日の阿炎の取口は御嶽海にも参考になる。横綱は御嶽海に対しても上手を取りにくるはず。御嶽海は絶対にまわしを許さないように下から攻め、徹底して前に出ることが大事だ。それが出来るかどうかが勝負の鍵になる。
(元大関・栃東)   

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