【二所ノ関親方 真眼】対策しても勝てない…盤石すぎる照ノ富士

[ 2022年1月11日 05:30 ]

大相撲初場所2日目 ( 2022年1月10日    両国国技館 )

照ノ富士(左)に小手投げで敗れる若隆景(撮影・河野 光希)
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 照ノ富士が挙げたこの日の勝利は、単なる1勝ではありません。相手の良さを全部引き出しておいて、それを“全否定”するような盤石の相撲。若隆景はしばらく敗戦のショックを引きずるのでは、と思わせる会心の内容でした。

 初日の大栄翔もこの日の若隆景も、しっかり対策を練ってきたと思います。本人からすれば非の打ちどころのない攻めでしたが、横綱はその上を行っていました。横綱はこの日、とったりで横向きにされ、さらには左おっつけと右ハズで上体も起こされました。だが、ここからの対応が素晴らしかった。差し手の左を抜いて、おっつけてきた相手の右を抱え込んでの投げ。同じ負けでも次につながるような内容なら望みも持てますが、それすら打ち消す完璧な相撲でした。若隆景の前には「照ノ富士帝国」が立ちはだかったようでした。

 寒さが照ノ富士の古傷の膝に少なからず影響を及ぼす時季です。まだ土俵になじんでいない序盤5日間がカギだと思っていましたが、難敵2人をあっさり粉砕。今場所も一人横綱を軸に優勝争いが展開されることだけは確信が持てました。(元横綱・稀勢の里)

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2022年1月11日のニュース