桐生第一のナモア・ファタヘヒが天国の父に届けた「熱き想い」

[ 2021年12月28日 11:18 ]

全国高校ラグビー1回戦   桐生第一3ー62仙台育英 ( 2021年12月27日    花園ラグビー場 )

<仙台育英・桐生第一> 前半、桐生第一・ナモアは仙台育英・ダリエスの前進を阻む(撮影・大森 寛明)
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 【高校ラグビー MCリレーコラム】今大会のMBSハイライト番組「全国高校ラグビー大会ハイライト」(当日深夜放送)のコンセプトは、「想いひとつ」。このコラムでは今回新たに番組MCを務める女優の木下彩音(21)、三ツ廣政輝アナウンサー(26、写真)が現場で取材したとっておきの“想い”を紹介します。初日は三ツ廣アナが桐生第一のナモア・ファタフェヒ選手(2年)に聞いた熱い想いです。

 小中学校では野球に夢中だったナモア君が高校でラグビーを始めたのは、名ラガーマンだった父の存在が大きかったはずです。
 トンガ出身で大東大、三洋電機と活躍したワテソニ・ナモア氏の名前を聞いてピンとくるファンは多いのではないでしょうか。私が生まれる前の話ですが、社会人大会で神戸製鋼との激闘を思い出す方もいると思います。

 ただ、息子の花園での晴れ姿を見ることなく、お父さんは昨年12月に急逝しました。無念だったことでしょう。ナモア君のプレーを絶対に見たかったはずですから。

 試合は3―62で負けました。試合後の取材では時折笑顔は見せてくれましたが、悔しさや「もっとできたのに…」という想いは伝わってきました。お父さんならどう言うと思うと聞くと「きっとしかっている。怒っていると思います」の答えが返ってきました。

 前半、タックルを受け出血したためグラウンド外で治療を受ける時間帯がありました。ジャージーを着替えなければならないほどの鼻血の量でしたが、「そんなのはどうでもいい。1秒でも早くグラウンド内に戻りたい」と、その表情は訴えていました。やはり、ラガーマンの熱き血が流れているんでしょう。

 ただ、ナモア君には来年もチャンスが残されています。来年は、ラグビーの聖地で亡き父に胸を張れるプレーを見せてほしいものです。

(ハイライト次回放送は、きょう深夜1時40分から)

 ◇三ツ廣 政輝(みつひろ・まさき)1995年(平7)8月2日生まれ、東京都稲城市出身の26歳。スポーツ実況アナウンサーを目指し、明大から18年毎日放送入社。主な出演番組は、「サタデープラス」「水野真紀の魔法のレストラン」。今回初めてラグビー実況に挑戦する。

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