新葉 歓喜の号泣!2位で初五輪決定的、4年前4位の雪辱 フリー「ライオンキング」で北京へ

[ 2021年12月26日 05:30 ]

フィギュアスケート 全日本選手権第3日 ( 2021年12月25日    埼玉・さいたまスーパーアリーナ )

女子フリー、演技を終え喜びを爆発させる樋口新葉(撮影・小海途 良幹)
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 女子フリーでは、SP2位の樋口新葉(わかば、20=明大)がフリー2位の147・12点をマークし、合計221・78点で準優勝を果たした。非公認記録ながらフリー、合計点とも自己ベストを大幅に更新し、自身初となる北京五輪切符が決定的となった。坂本花織(21=シスメックス)が合計234・06点で3年ぶり2度目の優勝を果たし、2大会連続となる五輪出場権を獲得した。26日に北京五輪代表3枠が発表される。

 ここまでの道のりを思い返すと、涙があふれた。演技後の樋口は絶叫し、満面の笑みで万雷の拍手に応える。リンクを下りて長年指導を受ける岡島コーチに迎えられると、歓喜の抱擁をしながら号泣。「強い気持ちで滑り切れた。2位に食い込めて良かった」。4年前に逃した初の五輪が見えてきた。

 フリー「ライオンキング」。極度の緊張で足が震えたが、“百獣の王”は強かった。冒頭の大技トリプルアクセルで着氷が乱れる。それでも全てのジャンプを力強く降り、雄大な音楽に合わせて笑顔でステップを刻んだ。「気持ちで乗り切った」。フリー141・04点、合計207・46点の自己記録を非公認ながら大幅更新した。

 4年前、17年の全日本。平昌代表の有力候補の樋口は4位。切符を逃し、涙に暮れた。その夜、ツイッターにつづった「これから倍返しの始まりだ」という言葉が道しるべだった。18年世界選手権で準優勝。その後は右足のケガで振るわず、トリプルアクセル挑戦も鳴かず飛ばず。「4年間は苦しい時間だった」。それでも諦めなかった。

 昨季終了直後に今季の選曲に着手し、人前で滑るアイスショーで場数を踏んだ。「4年前は全日本前に電池が切れた」という反省からピークを年末に合わせた。それ以上に効いたのが、親友の競泳・池江璃花子の存在。白血病を克服していく過程を近くで見守り、東京五輪を見るとやる気が湧いてきた。「心の底から自分も出たい」と。

 「ライオンキング」は、紆余(うよ)曲折を経て「最後に凄くハッピーに終われる物語」。もがき続けた先に、最高の結果が待っていた。「大きな舞台で滑る機会があればいいな」。全てをやり遂げ、発表の瞬間を待つ。

 ▽女子の北京五輪代表選考 日本は3枠で坂本は決定。残る2人は総合的に選ぶ。全日本の2、3位(樋口、河辺)、坂本を除いた国際連盟(ISU)今季ベストスコア上位3人(三原、宮原、河辺)を満たす選手から2人目を決める。さらに、上記基準を満たして選考から漏れた選手と、代表2人を除いた世界ランク上位3人、今季の世界ランク上位3人らから残る1人を選ぶ。

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