萌寧 今大会初60台で15位浮上、初の賞金女王へ「耐えてスコアを伸ばしたい」

[ 2021年11月28日 05:30 ]

女子ゴルフツアー ツアー選手権リコー杯第3日 ( 2021年11月27日    宮崎県 宮崎CC=6543ヤード、パー72 )

16番、ティーショットを放つ稲見萌寧(撮影・西尾 大助)
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 23位から出た賞金ランク1位の稲見萌寧(22=都築電気)は7バーディー、4ボギーの69で回り通算1アンダーの15位に浮上した。この大会では初の60台をマークし初の賞金女王に望みをつないだ。首位から出た賞金ランク2位の古江彩佳(21=富士通)は73と落とし通算6アンダーの2位に後退した。ツアー未勝利の三ケ島かな(25=ランテック)が67で回り通算9アンダーで単独首位に立った。

 稲見らしい派手なバーディーラッシュだった。2度の3連続を含む最多7バーディーを奪い、この大会11ラウンド目で初めて60台をマークした。

 「長いパットが入ってくれたので、結構バーディーが取れた」と話すようにロングパットが面白いように決まった。2番で11メートルを放り込むと、3番で5メートル、11番では9メートル、12番では10メートルのバーディーパットをねじ込んだ。

 過去2日はほぼ自分一人でラインを読んでいた。しかし第1日は33パット、第2日は30パット。芝目が強い高麗芝グリーンにてこずった。そこで前日のラウンド後にキャディーを務める奥嶋誠昭コーチに「もっと細かく相談してやりたい」と助言を求めた。この日は2人で相談しながらラインを読み27パット。見事に攻め落とした。

 今年8勝を挙げ、東京五輪で銀メダルを獲得した。輝かしい実績に焦点が当たるが、稲見は「(心が)2回は折れた」と明かす。

 6月の宮里藍サントリー・レディースで4打差の単独首位で出た最終日に逆転されたことをきっかけに不振に陥り、2週後のアース・モンダミン・カップから2週連続予選落ちした。10月のマスターズGCレディースで10位で迎えた最終日を腰痛で棄権したことも「ショックが大きかった」と振り返る。それでも「負けたり、折れたりした時こそ練習したり試行錯誤した」と努力を重ね勝つことで苦境を乗り越えてきた。

 初日に10打あった古江との差を5打まで縮めた。自力で賞金女王の座をつかむには2人の2位タイ以上が条件となるが、ライバルに重圧をかけられる位置につけた。「風が強い予報だけど、耐えてスコアを伸ばしたい」と最後まで戦い抜く覚悟はできている。

 ▽賞金女王の行方 稲見と古江の2人に絞られ差は1696万8474円。稲見は優勝か単独2位(賞金1800万円)か2人の2位タイ(同1500万円)で古江の成績にかかわらず、賞金女王が決まる。古江が賞金女王になるには単独2位以上が最低条件で(1)優勝(同3000万円)なら稲見が単独3位(同1200万円)以下(2)単独2位なら稲見が単独14位(同96万円)以下で逆転するが(1)(2)以外なら稲見が賞金女王になる。

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