岡崎真氏 GP連勝の鍵山優真、さらに表現力磨けば大舞台でも十分に表彰台狙える

[ 2021年11月21日 15:24 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第5戦フランス杯最終日 ( 2021年11月20日    グルノーブル )

GP連勝で初ファイナル初出場を決めた鍵山(AP)
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 【岡崎真の目】男子フリーでは、鍵山優真(オリエンタルバイオ・星槎)がSPに続きトップの185・77点をマークし、合計286・41点で優勝した。第3戦イタリア大会に続く2連勝で12月のファイナル(大阪)初出場を決めた。スポニチ本紙評論家の岡崎真氏が鍵山の演技を分析した。

 鍵山の前半の演技は素晴らしかった。持ち前のジャンプを次々と決め、特に4回転トーループと3回転トーループの連続ジャンプとトリプルアクセルからの3連続ジャンプは秀逸だった。

 ところが、後半に入って2回目の4回転トーループでミスをした途端、一転して動きが鈍くなりリズムが合わなくなってしまった。うまく行っている時でも一つの失敗で急に呼吸のタイミングが合わなくなることがよくある。タイミングが合わなくなると疲労度も増すので、後半はフェードアウトして終わってしまった印象だ。前半が凄く良かっただけにもったいなかった。

 これでファイナル進出が決まったが、五輪本番ではSPで100点、フリーで200点がメダルの目安になると思うので、小さなミスも許されない。今回のように4回転が2種類だと繰り返しの制限でフリーは3本しか入れられないので、4回転ループをどこで投入するかがポイントになってくる。鍵山の良さの一つはパワーの中にしなやかさがあること。柔と剛を兼ね備えているので、さらに表現力を磨いていけば大舞台でも十分に表彰台が狙えるはずだ。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2021年11月21日のニュース