日比野弘氏 誰とでもフェアに接する誠実な人柄 理論的な分析が好きでスポニチで評論も

[ 2021年11月16日 05:30 ]

日比野弘氏(提供写真)
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 ラグビー元日本代表で早大や日本代表監督、日本協会名誉会長を歴任した日比野弘(ひびの・ひろし)氏が14日、呼吸不全のため横浜市内の自宅で死去した。86歳。葬儀・告別式は家族葬で行う。

 【悼む】日比野さんが最後に早大の監督を務めた時期、部員の不祥事が発覚した。週刊誌が報じるとの情報を入手し、夏合宿を取材していた菅平から下山途中で電話をかけた。「これはきちんと会見を開くつもりだが、どう思いますか?」。会見前に事実を認め、一記者に誠実すぎる対応。誰とでもフェアに接する人だった。かつて先祖代々受け継いだ銀座の陶器店を倒産させてしまったのも、人が良すぎたからではと感じた。

 この件も含め担当記者の頃は、苦労していた印象が強い。日本協会の会長代行時も問題が多く発生したが、矢面に立ったのはラグビーへの愛情からだろう。精神論ではない理論的な分析が好きで、スポニチで評論もお願いした。敗因、特に早大の分析が素人でも分かりやすく、秀逸だった。

 毎年、本人と奥さまの2人のイラストが描かれた年賀状が楽しみだった。5年前に今後は賀状を欠礼する、運転もやめて隠居生活を楽しんでいるとの寒中見舞いが届き、寂しい思いをしていた。ご冥福をお祈り致します。(92~93、95~96、98~99、03~06年度ラグビー担当・中出健太郎)

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2021年11月16日のニュース