南秀樹のスコアアップ術① 悪いスライスを防ぐ

[ 2021年11月5日 12:00 ]

南秀樹のスコアアップ術(1)悪いスライスを防ぐ
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 数多くの女子プロを育て、塚田陽亮や岡山絵里、木村彩子らツアーで活躍する選手のコーチを務める南秀樹氏が、今回からアマチュアゴルファーに向けたレッスンを行います。ドライバーショットからパッティングまで、対処に困ったときにどうすればいいのかという悩みにズバリ一発回答!第1回のテーマは、ドライバーショットのスライスを抑える方法です。

 スライスに悩む人のスイングを見ると、その多くはカット打ちになっています。アウトサイドインのスイング軌道でクラブを振るため、ボールにスライス回転がかかります。単純にその軌道を直すには、ダウンスイング以降に左腰が後ろに引ける形を修正することです。なぜなら、左腰が引ける動きとカット打ちは連動しているからです。

 アドレスの形をつくり、クラブの替わりに重たいボールを両手で持ったとしましょう。そのボールを目標に向かって投げるには、体重が左足に乗り、お腹(なか)を目標に向けた形になるはずです。しかもオヘソがやや上を向いた形になります。この動作をゴルフスイングで行うと、左腰が引けることなく、カット打ちの軌道が自然と修正できます。

 根本的にスライスを防止したいなら、やはりグリップ、アドレスを一度見直したほうがいいでしょう。まずグリップですが、左手はクラブの上から当てて握ります。左手甲が目標を向くウイークグリップだとクラブフェースが開いたままインパクトを迎えやすいので、握りを上から見た時にナックルが2つ見えるように握ります。右手は腕をダランと脱力させ、手のひらを正面に向け、手首を甲側に軽く曲げます。その形から手のひらを目標に向けてクラブを握りましょう。

 次にアドレスですが、いろんなスポーツの中で構えをアドレスと呼ぶのはゴルフだけです。私の中でもアドレスは最重要課題でもあるので、きっちりと正しい形を身につけましょう。具体的に説明すると、両手の位置は左目の下にセットします。ボールはそれよりも1個分左に置き、シャフトが真っ直ぐになるように構えましょう。グリップエンドと体の間隔はこぶし1個半から2個分です。

 体重は左右均等か右足に6割、左足に4割乗せます。ティーアップの高さはボールがクラブヘッドから半分見えるくらいにしましょう。トウ寄りやヒール寄りではなく、フェースの真ん中にボールをセットします。

 ヘッドを地面に置いたときにフェースが右を向きますが、それを修正するためにロフトを立てるのは問題ありません。ただし、かぶせ過ぎると、インパクトでロフトが立ち、スライスの度合いが大きくなるので気を付けます。

 グリップ、アドレスが完成したら、先ほどの動作を行いましょう。どうしても左腰が引け、カット打ちになる人は次のドリルが有効です。両手を右腰の高さまで上げたら、そこからお腹を目標の上に向けるつもりでスイングします。実際にボールを打ちますが、飛距離は関係ありません。体の動きを覚えることが第一です。左足に体重を乗せ、右腰を目標方向に出していくイメージです。

 また、バックスイングとダウンスイングでヘッドが右腰の高さにきたとき、フェースが正面を向いているかどうか、フォロースルーでヘッドが左腰の高さにきたときにフェースが背中側を向いているかどうかもチェックしましょう。どちらもOKなら正しいスイングプレーンに沿ってクラブを振っているので、方向性が安定します。

 (取材協力=兵庫・オリムピックゴルフ倶楽部)


 ◆南 秀樹(みなみ・ひでき)1974年(昭49)2月21日生まれ、香川県出身の47歳。プロゴルファーだった父の影響で中学2年からゴルフを始め、香川西高卒業後に日本プロゴルフ協会のティーチングプロ資格を取得。鈴木愛、成田美寿々らを指導した実績があり、現在は岡山絵里や木村彩子らをレッスン。今年、岡山を復活優勝させた。男子は塚田陽亮と契約。

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