松山凱旋V!日本開催で、日本人の前で、日本人が勝った「タイガーみたいになれた」

[ 2021年10月25日 05:30 ]

米男子ゴルフツアー ZOZOチャンピオンシップ最終日 ( 2021年10月24日    千葉県印西市 アコーディア習志野CC=7041ヤード、パー70 )

<ZOZOチャンピオンシップ最終日>優勝した松山はトロフィーに顔を入れ笑いを誘う(撮影・西川祐介)
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 日本のエース・松山英樹(29=LEXUS)が凱旋Vを飾った。首位で出て2イーグル、3バーディー、2ボギーの65をマーク。通算15アンダーで4月のマスターズ以来の米ツアー通算7勝目を挙げた。一時は2位に後退したが、最後は後続に5打差をつける圧勝だった。キャメロン・トリンゲール(34=米国)とブレンダン・スティール(38=米国)が2位。金谷拓実(23=Yogibo)が66で回り通算5アンダーで7位に入った。

 松山は勝利を確信したように、すぐに歩きだした。最終18番パー5。フェアウエーからの第2打を5Wで振り切った直後だった。ボールはピン上2メートルに着弾。グリーンを囲んだギャラリーから大歓声が上がった。イーグルパットを難なく沈めてフィナーレを飾ると、両手を上げてVポーズをつくった。

 「ここで優勝するのは一つの目標でもあったので、うれしい気持ちと、マスターズで勝った後に、ここで優勝している2年前のタイガーみたいに僕もなれてうれしいです」

 重圧を振り払った。“ホーム”の日本開催で、しかも上位にいる日本選手は自分一人。無意識のうちに体に力が入り、この日の朝になって突然、左肩甲骨の下あたりに張りを感じ、ケアを受けた。関係者は「連日、大勢のギャラリーに囲まれて、その緊張感と移動も含めた疲労があったようです」と説明した。

 練習場では球が散り「勝っている人の練習の球ではない」と不安を隠せなかった。パッティングも今週はパターを替え、握り方も変えるなど試行錯誤。6番で12メートルをねじ込みイーグルを決めた一方で、8番では3パットして同組のトリンゲールに逆転を許すなど苦しい展開だった。

 それでも崩れなかったのは大ギャラリーの声援があったからだ。感染症対策で1日の観客数の上限は5000人に定められていたが、最終日の人数は上限に近い4976人。最高5万8000円のチケットも完売し、4日間で1万8890人の観客が集まった。

 「状態が本当に良くなかった。勝機があるとしたらギャラリーの方が僕を応援してくれているところ。それが一番の強みで、それをうまく力に変えることができた」。11番で10メートルの大きく曲がるスライスラインを決めてトップに並ぶと、13番では4メートルを沈め単独トップの座を奪い返した。

 2年前にウッズに敗れた舞台でリベンジを果たし、米ツアー通算7勝目をマーク。崔京周の持つアジア人最多の8勝にあと1勝に迫った。「丸山(茂樹)さんからはそれを抜いてくれと言われているので、早く並ぶことができるように頑張りたい」。日本のエースの目は早くも次の目標に向けられていた。

 《海外でも称賛》海外メディアも“マスターズチャンピオン”の母国優勝を称賛した。ロイター通信は「スリル満点のバックナインチャージ」と表現。AP通信は大会初開催の19年はタイガー・ウッズが優勝したと紹介し、同年にマスターズも制したウッズの足跡を松山がなぞったと報じた。AFP通信は東京五輪でプレーオフの末に銅メダルを逃した松山が「五輪で味わった失望を埋め合わせた」と伝えた。

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